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バイリンガル育児

「バイリンガル」と「認知症」の関係。共通するものはコレ!

こんにちは。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようとしているまめちゃん(@mame_chang)です。 海外在住でも子どもに日本語を覚えて欲しい…。このフレーズをこのブログで何回使ったかわかりませんが、子どもがお腹にいるころから、そして子どもが生まれてからも日本語が母語レベルになるよう日々がんばっています。

 

先日、バイリンガルに関する内容をインターネットでみていたら、ふと「認知症」という言葉が目に入ってきました。

 

まめちゃん
えっ?!認知症...?

 

と思いましたが、認知症について全く聞いたことがないわけではなく「バイリンガル」と「認知症」がどう繋がるのかが、瞬間的にわからなかったのです。

 

一見関係なさそうにも見える、バイリンガルと認知症について今回はインターネットの記事などからも紹介しながら最後にバイリンガル子育てをしている母として思うことを書きたいと思います。





バイリンガルと「認知症」の関係

まずはご存知の方も多いかと思いますが、認知症とは何か?について見ていきます。

 

脳は人間の活動をほとんどコントロールしている司令塔です。それがうまく働かなければ、精神活動も身体活動もスムーズに運ばなくなります。

認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりしたためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態のことを指します。

認知症ねっと」より

 

テレビ番組やニュースなどで認知症の話を聞いたことがある人も多いと思いますし、実際に認知症の人が周りにいる人もいると思います。それでは、「バイリンガル」と「認知症」はどんな関係があるのでしょうか。

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新聞記事などに載ってた認知症の記事

バイリンガルと認知症に関する新聞記事やサイトはいくつかあります。ここで、1つの新聞記事からポイントだけを抜き出します。

 

新聞の名前 : The Wall Street Journal(日本版)

掲載日   : 2010年10月13日

記事見出し : 「バイリンガル脳は認知症になりにくい」

内容    : バイリンガルの人は認知症にならないわけではないが、その症状をモノリンガルよりも平均4年遅らせることができる。複数の言語を使うことは、脳がストレスや損傷を受けたときにでも働く能力を高める技能を強化するという。そしてこの高められた能力が、認知症を発症しても記憶障害にうまく対処する助けとなる。

 

ということです。記事は2010年のものでカナダのトロントにあるヨーク大学のエレン・ビアリストク博士の研究として紹介されています。また、他のサイトではアメリカやヨーロッパの大学や病院でも同じような研究が進められていて「バイリンガルの人はモノリンガルの人と比べてアルツハイマーと診断されるのが平均4年遅い」などの結果が報告されています。こう見ると「4年」というのがキーワードのように見えます。




認知症について母として思うこと

これらの新聞記事やサイトによると、バイリンガルの人が認知症と診断されるのはだいたい70代後半で80歳近くになってからです。今、私が日本語と韓国語のバイリンガルにしようとしている子どもが認知症になるかもしれないのは、うちの子どもの場合だと約70年後。私はそのころは、おそらくもうこの世にはいないでしょう......。

 

しかし、バイリンガルであることは言葉も文化もモノリンガルに比べると2倍となり、その分知っていること、交友関係、行動範囲、情報収集の量などもモノリンガルとは変わってきます。ここだけ見ると、いいことばかりなのですが逆にアイデンティティの葛藤や国籍選択など、モノリンガルにはない問題や悩みなどもあります。それでも、母としては自分の子どもが認知症を発症しても症状がモノリンガルと比べて遅いのは喜ぶべきなのかもしれません。

 

そして、大人になってから外国語を勉強してバイリンガルになるケースもありますが、老後を海外で過ごした場合認知症などによってせっかく覚えた外国語を忘れてしまい日本語しかわからなくなったという話もチラホラ聞きます。このように考えると、海外に住んでいても子どもには日本語を覚えて欲しいという思いを持って、子どもがお腹にいるころからそして生まれてからもずっと日本語で子どもに話しかけ、日本語を母語のレベルまで伸ばすのは、将来的に子どもがお年寄りと呼ばれる年齢になっても利点があるのかもしれないと思いました。




一見関係なさそうに見えて関係があるのは?

「バイリンガル」と「認知症」。一見、関係がなさそうに見えて関係があるのは、「」です。バイリンガルの人が言語を2つ操ることができるのも脳が関係していますし、認知症も脳に関係するものです。認知症だけを意識して子どもをバイリンガルにしようとするわけではありませんが、「こんな点もあるんだ・・・」と心に留めておきたい内容だと思いました。

 

まとめ

今回は、一見関係がなさそうなバイリンガルと認知症の関係について、新聞記事の内容のポイントだけかいつまんでお話しました。 結論としては、認知症だけを気にして子供どもをバイリンガルに育てるわけではありませんが、こんな利点もあるんだということを心に留めつつ、そして韓国在住でも日本のこと、日本語がわかるようになってほしいという最初の思いを忘れないようにしながら今回も子どもと日本語で接していきたいなと思いました。

 

今日の話に関係する記事など

●新聞記事「バイリンガル脳は認知症になりにくい」(The Wall Street Journal 2010年10月13日)

↑リンク切れ(2020年5月23日確認)

●サイト「バイリンガルの高齢者は認知症になりにくい! 」(21世紀医療フォーラム よい医者、よい医療を創るプロジェクト)

↑リンク切れ(2020年5月23日確認)

●サイト「多言語を話す人は認知症になりにくい?」(高麗人参ゼミ)

※今回ご紹介したサイトはリンク切れでしたが「バイリンガルは認知症になりにくい」「バイリンガル 認知症」などの言葉で検索すると、他にもたくさんの記事がヒットしますので、よかったらご覧ください。




  • この記事を書いた人

まめちゃん

韓国で2人の子供達をバイリンガルに育てています。大学院生の頃は第二言語習得を研究していました。日本語教師の経験が約20年。子供達のバイリンガル育児や国際結婚、バイリンガル育児について第二言語習得や日本語教師的な視点からブログを書いています。 時々韓国の義実家に関する泣き笑いネタもあります^^;

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