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バイリンガル育児

バイリンガルの子どもの頭の中に文法書を作る方法

 

こんにちは。韓国で2人の子どもを日韓バイリンガルに育てている、まめちゃん(@mame_chang)です。子どもの発想って大人と違うし、子どもの創造力や考え方などに驚かされることもよくあります。海外で子どもをバイリンガルにしようと日々努力している私ですが、子どもの能力にびっくりすることも多々あります。

 

子どもと接していると、大人である私はは遠い昔に無くしてしまった発想や子どもならではの遊びを間近で見ることができます。大人だったら絶対にしないようなことを子どもは考えたり、したりして大人を驚かせることもあります。

 

上の子が幼稚園児の時は、一緒に野菜の絵に色ぬりをしていてサツマイモの色ぬりをしていた時、子どもはサツマイモとはどんな野菜か知っていたので、私は当然茶色やこげ茶などの茶色系の色を塗ると思っていたのですが、なんと子どもは茶色だけでなく、赤、黄色、ピンクなどいろいろな色で色ぬりをして、「レインボーサツマイモ」ができあがりました。

 

それを見て最初は驚いたのと同時に、

 

まめちゃん
子どもって発想が豊かだなぁ~。

 

と思いました。

 

レインボーサツマイモの話はさておき、先日下の子とおままごとをしてた時の私と下の子のやりとりから、小さい時から親の言語に触れておくのは大切だと思った瞬間がありました。

 

今回は、そのやりとりの紹介と、どうして親の言語に触れておくのが大切なのかについてお話ししたいと思います。





バイリンガルの子どもの頭の中に文法書を作る方法

下の子(3歳)は、おままごとやごっこ遊びが大好きな年ごろで、私や上の子、そして夫もたまに付き合ってやっています。

 

先日は、家に私と下の子の2人しかいなかったので2人でのおままごととなりました。子どもがママとなり私が子どもの役となりスタート。下の子は満面の笑みで楽しそうでした。

 

ママ役の下の子がごはんを作り、子ども役の私が食べるという設定だったのですが、下の子がこう言いました。

 

ごはんできたよ〜。このおかず......。소금  뿌려줄께.(ソグム プリョチュルケ/韓国語で「塩ふってあげるね」という意味)

 

途中から韓国語になってしまいました。私が苦笑いして、

 

えっ?! 何て??
まめちゃん

 

と聞くと、「소금(ソグム/塩)」「뿌려주줄게(プリョチュルケ/ふってあげるね)」も日本語でわからないというのです。私は一瞬2つのことを考えました。

  1. 「塩ふってあげるね。」とそのまま教える。
  2. 「塩」と「ふる」を別々に教えて子どもが文を作ることができるか見る。

 

瞬間的に私が選んだのは2、でした。子どもがちゃんと「塩ふってあげるね。」という文を作ることができるか見たかったのです。

 

そして、その結果・・・

 

ママの言葉(日本語)でね、「소금(ソグム)」」は「塩」で、「뿌리다(プリダ)」は「ふる」って言うんだよ。
まめちゃん

 

あえて、「뿌리다(プリダ)」という動詞の原型「ふる」で教えました。すると次の瞬間子どもはこう言いました。

 

塩、ふってあげるね~。

 

この言葉を聞いて、私は

 

おおお!!!!
まめちゃん

 

と驚きました。



私が驚いたワケは文法!

私が驚いたのは、次のようなところです。

 

初めて聞いた単語なのに、間違えないで言いたいことを正しい日本語の文にできたから。
まめちゃん

 

なぜこれが驚きなのかと言うと、私は外国人に日本語を教えた経験があるので、つい比べてしまったからです。

 

日本語を外国語として勉強している場合、「塩をふる」の「ふる」のように新しい動詞に出会って、「塩ふってあげるね。」という文を作るには次のようなプロセスが必要です。

 

  • その動詞の分類(グループ)を考える。

  • その分類に合わせて動詞を活用させる。

  • 「소금(ソグム/塩)」や「~줄게(~チュルケ/~てあげる)」を日本語にする。

  • 「塩ふってあげるね。」という文が完成する。

 

このような段階を踏んでやっと「塩ふってあげるね。」という文ができあがります。もちろん、日本語の文法がちゃんと頭に入っている人や日本語を使い慣れてきた人は、例えそれが初めて出会う動詞であっても、すぐに文を作ることができます。

 

そして、もし動詞の分類を間違えたり、活用させるのを間違えると例えば、次のようになってしまいます。

「ふんであげるね。」

「ふてあげるね。」

 

私が驚いたのは動詞の分類などは、まったく知らない3歳児が「ふる」という言葉を聞いてすぐ「塩ふってあげるね。」と正しく動詞を活用させた文を作ることができたということです。この時、以前紹介したスティーブン・ピンカーの『言語を生みだす本能』に「3歳児は文法の天才だ」のような文があったことを思い出しました。

 

本の紹介は↓参考記事へ。





文法書なんていらない

大人になってから日本語を学ぶ人には文法書が必要でも、赤ちゃんは字も読めませんし文法という概念さえわからないと思います。しかし、赤ちゃんのころからネイティブの親に話しかけてられて育つ子どもは、知らず知らずのうちに頭の中に文法書を作っていくのだと思います。

 

バイリンガル子育てをする親ができることは、きっと文法書に書いてあるようなことを子どもに頭の中に作っていくことの手助けだと思います。わざわざ日本語文法の本を買って自分で勉強することもできますが、それよりも自分が使う言葉に気をつけながら子どもとコミュニケーションをする時はそれが会話であれ、SNSであれ常に日本語を使うのがいいのではないかと思います。

 

そう考えると子どもが小さい時から、またはお腹にいるころから常に日本語で話しかけることはとても大切だと思いました。



まとめ

今回は、うちの下の子とのレストランごっこの時に子どもが日本語で言えなかった文について、日本語の単語をちょっと教えたら正しく活用させて文を作ることができたという話と、それについて思ったことについてお話しました。

 

そしてこれは、たまたまだったのかもしれませんが子どもがお腹にいたころから、ずっと日本語で話かけることを続けた結果、日本語を勉強する大人だったら文法書とかで勉強しないといけないようなことが頭にすでに入ってきているということなのかも知れないなぁ、と思いました。

 

もし、そうだとしたら私が前々から思っている・・・

 

まめちゃん
韓国に住んでいるけど日本語が使えるようになってほしいし、できれば国語として覚えて欲しい。

 

という希望は少しずつ現実になっていくのかもしれません。

 

下の子はまだまだ幼稚園児なので、わからないことは教えつつ見守りつつ・・・、今後、どうなっていくか楽しみです。

 

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    • この記事を書いた人

    まめちゃん

    韓国で2人の子供達をバイリンガルに育てています。大学院生の頃は第二言語習得を研究していました。日本語教師の経験が約20年。子供達のバイリンガル育児や国際結婚、バイリンガル育児について第二言語習得や日本語教師的な視点からブログを書いています。 時々韓国の義実家に関する泣き笑いネタもあります^^;

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