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バイリンガル育児

海外で育つバイリンガル児が身につけるのが難しいコミュニケーション能力とは

 

こんにちは。韓国で2人の子どもたちをバイリンガルに育てるべく毎日奮闘中のまめちゃん(@mame_chang)です。海外で育つバイリンガル児が身につけるのが難しいコミュニケーション能力について考えたことがあるでしょうか?

 

このブログは、「海外に住んでも子どもには日本語がちゃんと使えるようになって欲しいし、日本文化も身につけて欲しい」という少々欲張りな日本人ママ(←私)の思いから始めました。そして、やってみたことや調べたこと、考えたこと、バイリンガル子育てをしている他の方々へのインタビューなどを載せています。

 

言語と文化というは、多分切っても切り離せないもので言語は文化を反映すると思いますし、文化の一部が言語だという考え方もあります。また、文化というものを考えると食事、服装、住居などの目に見えるものもあれば、考え方や価値観などたなど目に見えにくいものがあると思います。

 

海外に住んでいても子どもたちには日本語がうまく使えるようになってほしいと思っていて、将来的に日本語がペラペラで読み書きもできるようになったとすると、日本で生まれ育った日本人との話したりメールなどのやりとりの機会も増えるかもしれないと思います。

 

もし、将来そうなると仮定して現在のうちの子(特に上の子)を見ていると、

 

まめちゃん
このままいくと、日本語はペラペラだけどそれ以外は韓国人っぽくなるかも?

 

と思うことがあります。そして、

 

あの子は日本で生まれ育ってないからねぇ...。

 

なんて言われたら嫌だなぁ、なんて思ったりもします。韓国で生まれ育っているのである意味自然と言えば自然なことです。しかし、韓国で生まれ育っても日本語がちゃんと使えるようになった時に日本で生まれ育った人との「コミュニケーション」ってどのぐらいスムーズにいくものなのかな?と考えたことがあります。

 

今回は、この「コミュニケーション」や「コミュニケーション能力」に関連して考えたことを書いてみたいと思います。





海外で育つバイリンガル児が身につけるのが難しいコミュニケーション能力とは

「コミュニケーション」というと、それが使われる世界によって「通信」「伝達」「意思疎通」などの意味を持ちます。そして、「コミュニケーション能力」となると、言語の世界では次の4つとなります。

 

文法的能力 →文法法的に正しい文を用いる能力。

談話能力 → 単なる文の羅列ではない、意味のある談話や文脈を理解し、作り出す能力。

社会言語能力 → 社会的な文脈を判断して、状況に応じて適切な表現を行う能力。

方略的言語能力 →コミュニケーションの目的達成のための対処能力。

wikipedia「コミュニケーション能力」より

 

もうちょっとわかりやすく言うと次のようになります。

 

  1. 文法的能力 → 文法的に正しい文を用いる能力。
  2. 談話能力 → 誰かと話している時に面接のように一方的に質問をして答えるのではなく、会話のキャッチボールをうまく続ける能力。
  3. 社会言語能力 → 自分と相手の立場(例:大人が子供に話すのか、店員がお客さんに話すのか)によって同じ意味でも使う言葉を変えて話す能力。
  4. 方略的言語能力 → どんな風に言えばうまく行くかな?と考えて言葉や表現を選んで話したり、うまく説明できなことを他の言葉に言い換えたりして伝える能力。

 

この中で、海外で生まれ育つ子どもに一番重要だなと私が思うのは、3.です。それでは、どんな部分がどうして大切なのか具体的に見ていきたいと思います。

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「社会言語能力」が大切なワケとは・・・

1.の文法なら日本語がネイティブの親が「おかしい」と思った時に直せばいいし、2.の「談話能力」も、相手に興味を持って会話をすれば少しずつ身につくものではないかと思います。そして談話能力は日本語だけではなく他の言語にも言えることなので、海外で現地の言葉を使って会話のキャッチボールをうまく続けることができれば、日本語になっても少し練習すればできるような気がします。そして、4.も相手の様子をみながらちゃんと伝わってないなと思ったら他の言葉を使ったり何回か繰り返して言ってみたりする力なので言語自体の比重が大きいと思います。

 

しかし、3.はただ海外に住んでいて家の中で親と日本語で会話をしたり読み書きの練習をするだけでは、身につかないように思います。なぜなら、、

 

 

★3.社会言語的能力  

社会言語能力とは、敬語男言葉や女言葉どのように会話を始めるか、自分と相手の立場によって言葉を使い分けることが出来るか、その社会で通常は言わないことを言ってしまわないか・・・ということがポイントとなります。なぜ家庭では身につけるのが難しいと思うのかと言うと、例えば次のようなことが考えられるからです。

 

  • 敬語 → 家庭内での練習は難しい(あえて言うならごっこ遊び)。
  • 男言葉や女言葉 → 日常的に接する日本語ネイティブはママのみなら男の子は男の子が使う言葉に触れる機会が少なめ。
  • どのように会話を始めるか → いきなり「ねぇ~ねぇ~、ちょっと聞いて。」と家族に話しかけるみたいに話しかけてしまう?!
  • 自分と相手の立場による言葉の使い分け → 家の中ではいつもタメ口だったので、「~です/~ます」がうまく使えない。
  • その社会では通常はしないことをしてしまわないか → 先生に向かって「先生って教えるの上手ですね!」と社会的に立場が上の人を評価するようなことを言ってしまう。

 

やはり、「海外」や「日本語は家の中で親とだけ」という限定的な学び方だと、日本という社会で使われているような日本語のコミュニケーション能力をつけるのは難しいので、親子ともに意識をして学ぶのがいいかな、と思います。



社会言語的能力はどうしたら身につくのかな

敬語、男言葉に女言葉、会話の始め方、立場による使い分け、日本社会に合った言葉の使い方・・・ これらを全部家庭内でカバーするのはかなり大変です。家庭内でやろうと思うと、ごっこ遊びを超えてロールプレイのようになりそうです。

 

そうすると、やはり一番いい方法はそれぞれの場面に子どもを触れさせることだと思います。海外でできることと言えば・・・

 

1.日本人の集まりやママ友などの集まり。

2.一時帰国の時の体験入学や一時保育。

3.日本の親戚やいとこと遊ばせる。

 

そして、地理的な理由で周りに日本人がいない!集まりもない!という場合は、

 

4.オンラインでできることをする。

 

オンラインでできることとは? オンライン補習校、Web絵本、動画視聴、スカイプなどで日本などにいる知り合いと話す、などでしょうか。

 

こうやって見てみると、海外にいるとできることとできないことがあるな、と改めて思います。



まとめ

今回は、コミュニケーションやコミュニケーション能力ということを考えたいと思って書いてみました。海外に住んで日本語がうまく使えるようになった時に日本で生まれ育った日本人とのコミュニケーションをすると、きっと問題になるのは4つあるコミュニケーション能力のうち、「社会言語能力」ではないかと思います。

 

日本語がペラペラで日本人のようにできたとしても、家庭内でこの能力を育てるのは難しいように思います。やはりそのような場面をたくさん子どもたちが接するようにして経験をさせながら覚えてもらえたら一番いいと思います。

 

......と、このようなことを書いていますが、うちの子たちも日常的に日本語に接するのは日本語がネイティブのママだけなので、どうやったら韓国という環境でいろいろな日本語に接する機会が子どものために作ることができるか、オンライン、オフラインを問わずつくりだしていきたいと思います。

 

・オンライン補習校 ↓↓

 

・Web絵本などについて ↓↓




    • この記事を書いた人

    まめちゃん

    韓国で2人の子供達をバイリンガルに育てています。大学院生の頃は第二言語習得を研究していました。日本語教師の経験が約20年。子供達のバイリンガル育児や国際結婚、バイリンガル育児について第二言語習得や日本語教師的な視点からブログを書いています。 時々韓国の義実家に関する泣き笑いネタもあります^^;

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