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バイリンガル育児

バイリンガルの子どもと国籍

 

こんにちは。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようとしているまめちゃん(@mame_chang)です。結婚して誰かと夫婦となり、子どもができて母親や父親となるとたいていの場合子どもや家族のことを考えるようになります。子どもが小さいうちはあまり考えないかもしれませんが、学校に入りだんだん大きくなっていくと将来のことがだんだんと気になってきます。

 

もちろん子どもには子どもの人生があるのですが、親として子どもの将来のためにできることってなんだろう?と考えました。「子どもの将来のため」というと、お金、教育、友達などいろいろなことが頭に浮かぶと思います。

 

そんな中でも、このブログのテーマ海外での「バイリンガル子育て」について言うと、お金もですが日本語を教えることだったり日本に一時帰国したりすることもありますが、今日は昨日書いた「悩めるバイリンガルの子供にした4つのアドバイス」(詳細は↓↓参考記事へ)に関連して「国籍」に焦点をあててお話します。




バイリンガルの子どもと国籍

では、早速国籍についてです。 大人は、「国籍」という言葉を普通に使いますが、子どもには漠然としてわかりにくい言葉かもしれません。「国籍」とはWikipediaをみたら、以下のように載っています。

 

国籍(こくせき)とは、個人と特定の国家を法的に結びつける絆であり、18世紀以降のヨーロッパにおいて市民革命を経て国民国家という概念が生まれたことに対応して形成された概念である。

Wikipedia「国籍」より

 

子ども(うちの場合は小学生)には難しいので、簡単に説明しました。

 

まめちゃん
どこの国のパスポートを持ってるかって事だよ。日本のパスポートだったら日本人ってことね。

 

ところで、国際結婚の家庭や日本人夫婦の子どもで海外で生まれた場合、国籍が2つになる二重国籍(または重国籍)となることがあります。世界には、二重国籍を認めている国とそうでない国があって世界地図で表すとこのようになります。赤が二重国籍を認めていない国で緑が認めている国です。これをみると日本は二重国籍を認めていませんね・・・。

 

Dual Citizenship.svg

Wikipedia「多重国籍」より

 

日本の国籍法では?

日本には国籍法という法律があり、二重国籍についてはこう定められています。

 

第十四条 外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。

 日本の国籍の選択は、外国の国籍を離脱することによるほかは、戸籍法 の定めるところにより、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言(以下「選択の宣言」という。)をすることによつてする。

国立国会図書館「日本法令検索 国籍法」による

(※2020年5月25日に見たらリンク切れでした)

 

 

つまり、日本と韓国の国籍を持っている日韓ハーフの子どもの場合は、「日本の国籍を選択します!」と宣言して韓国の国籍を離脱するということになります。そして生まれた時から日本と韓国の国籍2つを持っている場合は22歳に達するまでに決めればいいということです。

 

「22歳に達するまでに」ということは、小学生である今も選択しようと思ったらできるという意味だと思いますが、やはりその後の人生を決めることだし家族で話し合って最終的に自分で決めたらいいのではないかと思います。

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韓国の国籍法では?

先ほどの世界地図を見ると、韓国も赤い色になってますね。......ということは韓国も二重国籍は認めていないということです。では、韓国の国籍法には、なんと書いてあるんでしょうか。ちょっと調べてみました。すると......

 

만 20세가 되기 전에 복수국적자가 된 자는 만 22세가 되기 전까지, 만 20세가 된 후에 복수국적자가 된 자는 그 때부터 2년 내에 제13조와 제14조에 따라 하나의 국적을 선택하여야 한다. 다만, 제10조제2항에 따라 법무부장관에게 대한민국에서 외국 국적을 행사하지 아니하겠다는 뜻을 서약한 복수국적자는 제외한다.  <개정 2010.5.4.>

① 법무부장관은 복수국적자로서 제12조제1항 또는 제2항에서 정한 기간 내에 국적을 선택하지 아니한 자에게 1년 내에 하나의 국적을 선택할 것을 명하여야 한다.

② 법무부장관은 복수국적자로서 제10조제2항, 제13조제1항 또는 같은 조 제2항 단서에 따라 대한민국에서 외국 국적을 행사하지 아니하겠다는 뜻을 서약한 자가 그 뜻에 현저히 반하는 행위를 한 경우에는 6개월 내에 하나의 국적을 선택할 것을 명할 수 있다.

③ 제1항 또는 제2항에 따라 국적선택의 명령을 받은 자가 대한민국 국적을 선택하려면 외국 국적을 포기하여야 한다.

韓国の「国家法令情報センター」の「国籍法」から一部抜粋

(引用文章内の緑の字と赤い字は筆者による)

ポイントだけ書くと以下の通りです。

 

  1. 二重国籍の人は国籍を選択する義務があり、満20歳までに二重国籍になった人は満22歳までに国籍を選択しなければならい。
  2. 国籍選択の時に、韓国国籍を選んだら外国国籍は放棄しなければならない。

 

 

注意

※平成23年(2011年)1月1日に韓国では国籍法が一部改正され重国籍が認められることとなりました。手続きや手数料などの詳細は在大韓民国日本国大使館のサイトに詳しく載っていますので、そちらをご参照ください。(2019年11月17日(日)加筆・修正)

 

 

日韓ハーフの場合はいずれの国でも満22歳までに選択です。 日韓ハーフで男の子場合は兵役も関係します。しかも時々法律が改正されるので注意してみておく必要がありますね。




国籍選択なんて将来の話?

まだまだ小学生だし、満22歳なんてまだ先の話...... と思っても、先輩ママや先輩パパの意見では「あっという間」だそうです。「このブログの記事を書いたのが昨日ことのよう......」そんな風に感じる日が私にも来るのかもしれません。

 

ということは、「まだまだ先だし......」とは考えず、現在の情報を収集しつつもし法律などが変わったらすぐに何のことかわかるようにしておくのがいいのではないかと思います。 また、22歳になる直前に

 

まめちゃん
さて、どっちにする?

 

と言っても子どもも困ってしまうと思います。

 

子どもには自分にはパスポートが2つあることや、将来的にどちらかを選択しないといけないこと、選択したらどうなるのか、などを少しずつ話しておいたらいいかなと思います。親子で事前に少しずつ準備・・・ですね。



先輩ママやパパから国籍に関する情報収集をしよう

国籍選択の話なんてまだまだ将来の話...。と思っていても、さきほど書いたようにきっとあっという間なのではないかと思います。確かに、子どもが生まれて毎日が怒涛のごとく過ぎていき気付いたら韓国で子育てを始めて約10年が経ちましたが、本当にあっという間でした。

 

では、これからの10年もきっと矢のごとく、いや超高速で進んでいくことが予測されます。それでは今後の10年は、今回の話の国籍に関連して親としてどんなことができるのでしょうか。きっとそれは次の2つだと思います。

1.子どもにはどんな国籍を選んで欲しいかを考えておく。

2.先輩ママやパパからの話をできるだけたくさん聞かせてもらって参考にする。

 

自分の子どもはどんな人になって欲しくて、それは国籍と何か関係があるのか。日韓ハーフなら韓国で生まれ育ったけど日本国籍を選択して欲しい。韓国で日本人として生きて行って欲しいのか、または生まれ育った韓国の国籍を選択して日本やその他の国で韓国人として生きて行って欲しいのか... などです。ただし、これは親の考えであってやっぱり最終的には子どもの人生なので子どもが自分の意志で決めるのがいいのではないかと思います。

 

次に参考になるのは何といっても先輩ママや先輩パパの経験談です。同じような境遇の先輩(私なら韓国在住の日韓夫婦)で、お子さんがもう成人して国籍を選んでいる人に話を聞かせていただいて、どの国籍をどうして選んだのかや小学生や中学生の頃は何か国籍について話をしたことがあるのか、などの話を聞いておくと参考になると思います。



まとめ

今回は、先日の話「悩めるバイリンガルの子供にした4つのアドバイス」に関連して、バイリンガル児の国籍の話をしました。 Wikipediaにもありましたが、世界の中には二重国籍を認めている国もあればそうでない国もあります。

 

日本と韓国の場合は、このブログを書いている2017年2月の時点で二重国籍を認めていません(※韓国では認められることに法律が一部変更されました。詳細は↑↑「注意」の欄をご覧ください)。そのため、定められた年齢に達したらどちらかの国籍を選択しなければなりません。

 

その年齢が来てから「どうする・・・?」と子供に聞くのではなく、親は情報を集めつつ子どもにも少しずつ話していったらいいと思います。

★参考になるサイト

法務省(日本)「国籍の選択について

国家法令情報センター「韓国・トップページ




  • この記事を書いた人

まめちゃん

韓国で2人の子供達をバイリンガルに育てています。大学院生の頃は第二言語習得を研究していました。日本語教師の経験が約20年。子供達のバイリンガル育児や国際結婚、バイリンガル育児について第二言語習得や日本語教師的な視点からブログを書いています。 時々韓国の義実家に関する泣き笑いネタもあります^^;

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