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バイリンガル育児

思考言語とバイリンガルってどんな関係?親ができるたった2つのこと

 

こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようと毎日奮闘しています。

 

突然ですが、お腹が空いて何か食べたい時や次の週末はどう過ごそうかと考える時など、頭の中では何が起こっているでしょうか。

 

ラーメン食べようかな~。

久しぶりにあのカフェに行ってみようかな~。

 

などと考えるのではないかと思います。そして、ラーメンの中でも

 

今日はとんこつ!

 

と思ったらとんこつラーメンの美味しい店に行く、という行動に移すのだと思います。この流れは、私達が日常生活の中で毎日していることで、何も真新しい事ではありません。また、特別な事でもないと思います。しかし、もう少し込み入った内容の場合はどうでしょうか。

 

学校の先生の推薦で来月英語のスピーチ大会にでることになったけど、内容どうしよう? 聴いてる人に共感してもらえるのってどんな話だろう?

 

とか

 

最近、会社の上司からもしかして私ってパワハラされてる? もしこれがパワハラなら誰に相談してどうしたらいい?

 

などを頭の中で考えるとします。スピーチ大会でスピーチする内容やスピーチの流れや、ジェスチャーなど、考えてメモしたり実際にやってみたり、、となると思います。また、パワハラについても、私がされていることはパワハラに当たるのかな?と思ったらパワハラの定義を調べたり相談窓口を探したりすると思います。

 

前置きが長くなりましたが、今回はこの「考える」時に頭の中で使う言語、「思考言語」についてご紹介し、それがバイリンガル育児においてどれほど大切なのかや、親ができること2つについて、お話ししたいと思います。





思考言語とバイリンガルってどんな関係? 親ができるたった2つのこと

では、まずは「思考言語」とは何なのかについてから始めます。思考言語とは思考する(考える)時の言語で先ほどの例で言うと、

 

ラーメン食べようかな~。

久しぶりにあのカフェに行ってみようかな~。

 

 

・学校の先生の推薦で来月英語のスピーチ大会にでることになったけど、内容どうしよう? 聴いてる人に共感してもらえるのってどんな話だろう?

・最近、会社の上司からもしかして私ってパワハラされてる? もしこれがパワハラなら誰に相談してどうしたらいい?」

 

など、考える時の言語となります。ここで、いつも頭の中で何かを考える時、ご自分がどんな言語で考えてるか思い出してみてください。

.

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何語だっけ...?

 

と、この瞬間に日本語で考えてる人がいたら、その人の思考言語は日本語である可能性が高いです。では、外国語を勉強したことがある人はその学んだ(または学んでいる)言語でも同じことができるでしょうか。先ほどの例でいくと、

 

 

ラーメン食べようかな~。

久しぶりにあのカフェに行ってみようかな~。

 

なら、「できる!」という人もいるかも知れません。しかし、その次のスピーチ大会やパワハラの例ではどうでしょうか。

 

ここで、

 

う~ん、無理...

 

という人もいるでしょうし、

 

いや、大丈夫!

 

という人もいると思います。ちなみに私は日本語ではどちらも大丈夫で、韓国語もだいたい大丈夫です。しかし、その他に勉強したことがある英語と中国語は正直なところ怪しく、中国語はなんちゃってなので、多分両方無理です。

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    バイリンガル育児の始め方

考える時の言語って大切なの?

ここまで、読むと

 

だって、このブログを書いてるまめちゃんは、日本生まれ日本育ちでしょ? それから韓国にも10年以上住んでるんでしょ? それなら日本語と韓国語で大丈夫なのは不思議じゃないかなぁ。

 

という声が聞こえてきそうです。確かに、私が生まれ育った環境と韓国在住歴を考えるとうなづけると思います。

 

これは私が日本で生まれ育ち、日本の一般的な学校で日本語で勉強した結果、私が頭の中で考える言語は日本語となり、その後韓国語を外国語として勉強し韓国に移住することになり毎日韓国語に触れることで日本語でやっていることが韓国語でもだいたいできるようになったのだと思います。

 

とはいえ、韓国語は私には外国語。まだまだ知らない言葉もたくさんあり日本語で頭の中で考えるのと全く同じようにはできません。なので、「だいたい大丈夫」なのです。

 

ではもし、私が日本語でも韓国語でも考えるのが「だいたい大丈夫」という人ならどうなるでしょうか。

 

もちろん、「だいたい」とはちょっと曖昧な言葉なのでどの程度なら「だいたい大丈夫」なのかわかりにくいですね。

 

今回、なんどか例に挙げた

 

ラーメン食べようかな~。

久しぶりにあのカフェに行ってみようかな~。

 

は、もちろんなのですが、その次のスピーチ大会やパワハラの話はどうでしょうか。しっかり考えないとスピーチ大会は予選を通過できないし、パワハラは誰にも相談できないかも知れません。

 

今回、挙げた例はたった4つですが頭の中で言語を使って考えるというのは大切なのです。それでは、バイリンガル児はどうでしょうか。



バイリンガル児との関係は?

バイリンガルの子どもたちは複数の言語を使って生活しています。「バイリンガル」と言いましたが、バイリンガルとは言語が2つのことですが、3つ(トリリンガル)や4つ(クァドリンガル)、またはそれ以上(マルチリンガル)ですが、だいたい3つ以上はマルチリンガルと言ってしまうような気がします。

 

複数の言語に囲まれて毎日生活していると言っても、各言語の分布はさまざまでどちらか(どれか)1つの言語をメインで使っている人もいればどれも均等に使ったり 偏りがあったりもします。

 

バイリンガル児も子どものうちは思考もそれほど複雑ではないので、考えたいこと、したいことも単純です。そして成長するにつれ、したいことや考えたいことが複雑になったり深みが増したりして、自分で考えたり誰かに相談に乗ってもらったりするようになるのです。

 

では、何度も出している今回の例ですが、もし複数の言語がわかる人が、どの言語も浅く広くしか習得できていないとしたらどうなるでしょうか。もちろん、次の2つはそれでもなんとかなるかも知れません。

 

ラーメン食べようかな~。

久しぶりにあのカフェに行ってみようかな~。

 

しかし、その次に述べたスピーチ大会やパワハラの話はどうでしょうか。

 

例えばパワハラの場合だと、

 

あの上司、嫌だなぁ

 

という「嫌」という感情は湧き出てきてもそれで

 

何がどうして嫌なのか

これは本当にパワハラに当たるのか

パワハラの定義は何か?

自分はどうしたらいいのか

どんな方法で解決できるのか

助けてくれる人はいるのか

証拠は必要なのか

 

 

など、「嫌」という感情とは別に、パワハラの理由や定義、そこから脱出する方法などを考えて相談窓口に連絡するなどの行動を起こして、例えば仕事を辞めたり上司のさらに上司に訴えたりしてその環境を改善したり脱出したりしなければ環境はきっといつまで経ってもそのままです。

 

 

このひとつの例からもわかるように、「考える」という脳内活動は私達の毎日の生活の中で非常に大切なのです。

 

もっと具体的に言うと、

 

あの上司は課長で私は新入社員だけど、課長っていつも部長の前では頭が上がらないくせに、なんで私にはいつも命令口調で仕事の指示してきて、締め切りに間に合ったら何も言わないで、たった1分でも間に合わなかったらネチネチ長い時間説教するんだろう、しかも部長がいない時に。もちろん、締め切りに遅れた私も悪いかもしれないけど、定時で退社を会社的には推進してるのに定時の10分前に明日の会議の資料、20ページ帰る前に作って、なんて有り得ない。これ、もしかしてパワハラ?それともただのイジメ?

 

 

このような文章を頭の中で考えることは難しいことではないように見えるかも知れません。しかし、バイリンガル児として育てられ、複数わかる言語のうち、どれもきちんとできる言語がない場合、次のような事が想像できます。

 

・文法がわからないので正しい文章が作れない。

・知ってる単語が足りない。

・母文化と呼べるものがなく何を自分の基準として判断したらいいかわからない。

 

子どもが複数の言語がわかるというのは、モノリンガル(わかる言語が1つ)の親からしてみれば憧れであり子どもの将来に選択肢と希望を与えるもののように見えることと思います。

 

しかし、結果的に、考えるための思考言語が育たないとしても、それでも複数の言語の習得を子どもに望むでしょうか。



思考言語が育たないのはどんな時?

果たして、思考言語が育たないのはどんな時でしょうか。例えば次のような時です。

 

1.たくさんの言語に触れて言語だけの習得を目指した時。

2.触れる言語は多くなくても「考える」いう事をしない時。

 

1.は例えて言うなら、広く浅く道具だけを身につけることになり、2.はきっとモノリンガルにも通じるものがある事だと思います。

 

それでは、子どもがまだ子どものうちに親ができることは何でしょうか。



親にできることって何?

親ができることは、簡単に言えばさっきの2つをしないようにすることです。

 

つまり、

 

1.言語の習得のみに目を向けてできるだけたくさんの言語だけを子どもに習得させようとしない。

2.子どもにはどんな小さな事でもいいから「考える」ということをさせる。

 

たった2つで簡単に見えますが、実際に周りを見てみると、1.のように言葉の習得にばかり目が行っている親御さんが多いことに驚くことがあります。

 

また、子どもに「考える」ということをさせない親は、子どもと話す時にやたらと早口で子どもに話しかけたり、子どもに考える時間を与えずにすぐ自分(親)の意見を言ったり、選択肢を与えなかったりするように思います。例えば、次のような会話です。

 

まめちゃん
アイスクリーム食べる?チョコとバニラがあるけど、チョコ好きだしチョコにする?

 

とか

 

テレビ見たい〜
じゃ、先にパジャマに着替え歯磨きしなさい。
まめちゃん

 

2番目の会話は一見よくあるような会話だと思います。しかし「子どもに考えさせる」という目でみると次のような問いかけの方が子どもは、少しでも考えるということをするのではないかと思います。

 

テレビ見たい〜
もうすぐ寝る時間だよね。テレビ見る前に、何しなきゃいけないかな?
まめちゃん

 

このような些細なことの積み重ねが、子どもに「考える」ということをさせ、引いては思考言語が育っていくのだと思います。



まとめ

今回は、「思考言語」に焦点を当て、思考言語とは何か、考えるための言語はどうして大切か、考えるための言語が育たないのはどんな時か、そして親にできる2つのこととは何かについてお話しました。

 

親にできることは、次の2つです。

 

ポイント

1.言語の習得のみに目を向けてできるだけたくさんの言語だけを子どもに習得させようとしない。

2.子どもにはどんな小さな事でもいいから「考える」ということをさせる。

 

複数の言語ができても、どれかひとつの言語で深く考えることができないというのは、子どもの将来にも関係します。子どもを育てる親としては、子どもの考える力を伸ばすことまで考慮したバイリンガル育児ができたらいいのではないかと思います。

 

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    • この記事を書いた人

    まめちゃん

    韓国で2人の子供達をバイリンガルに育てています。大学院生の頃は第二言語習得を研究していました。日本語教師の経験が約20年。子供達のバイリンガル育児や国際結婚、バイリンガル育児について第二言語習得や日本語教師的な視点からブログを書いています。 時々韓国の義実家に関する泣き笑いネタもあります^^;

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