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バイリンガル育児

子どもをバイリンガルに! 注意すること5つ

 

こんにちは。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようとしているまめちゃん(@mame_chang)です。日本で育児をしていても海外で育児をしていても、「子どもをバイリンガルにしたい!」と考えても具体的な方法を思いつかないこともあると思います。親がモノリンガル(1つの言語だけで育った)場合や、大人になってから外国語を勉強してバイリンガルやトリリンガルやマルチリンガルになった場合も、

 

子どものころから言語を2つとか3つやってたらもっと上手になってたかなぁ。

 

と考える人もいると思います。今回は、海外育児に絞って「海外で育つ子どもが現地の言葉と日本語のバイリンガルになるにはどんなことを気をつけたらいいか」ということにして詳しく書いていきます。

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子どもをバイリンガルに! 注意すること5つ

 

「自分の子どもをバイリンガルに育てたい!」と思っても、残念ながらただがむしゃらにやっても途中で壁にぶつかってしまいます。国際結婚であっても海外在住であっても自動的に均等バイリンガルにならないのが実情です(「均等バイリンガルって何?!」という方は↓↓下の参考記事をご覧ください)。

 

・バイリンガルの種類について ↓↓

 

先日のツイート(@mame_chang)で、以下のようにつぶやきました。

 

もういちど・・・気をつけること5つとは以下のとおりです。

  1.  親は自分の母語で話しかける
  2.  現地語と親の母語を混ぜない
  3.  一時帰国では一時保育か体験入学
  4. 親が頑張りすぎない
  5. 子ども自身がバイリンガルになりたいか見極める

 

では、これらの5つの項目について詳しく見ていくことにします。

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    バイリンガル育児の始め方

1. 親は自分の母語で話しかける

まず、よく混同されがちなのですが「母語」とは「母国語」ではありません。海外で育児をする上で重要なのは、親が自分の母語で話しかけることが一番最初にすることです(「母語」と「母国語」って何がちがうの?という方は↓↓下の参考記事へ)。

 

 

・「母語」「母国語」って何? ↓↓

 

一番最初というのは、ママの場合はお腹に赤ちゃんがやってきた頃から、そしてパパの場合もママのお腹に赤ちゃんがやってきた頃や赤ちゃんが生まれてからです。なぜなら人間は生まれてすぐ読み書きができるわけではなく、まず耳でたくさん聞いてから話せるようになり、そして幼稚園の年長組や小学校に入ってやっと本格的に読み書きを習うからです。

 

また、海外に住んでいても「●●という国に住んでいるけどママ/パパとは△△語で話す」、具体的には例えば韓国で日韓バイリンガル育児をしている私の場合だと「韓国に住んでいるけどママ(←日本人)とは日本語で話す」を習慣化しておき、徹底しておくと韓国人の親戚が来た時でもブレません。

 

そして、小学校に入って子どもが現地校に通い出すとその現地校で使われている言語が段々強くなっていき、家に帰ってきても現地校の言語を使おうとすることがあります。具体的には韓国在住で韓国の一般的な小学校に通い出すと日本語よりも韓国語の方が強くなり、家でも韓国語が子どもの口から出てくるということです。

 

しかし、「親=日本語」を徹底しておくと、最初は詰まりながらでも言いたいことを日本語で話してくれます。ただし、韓国語では知っているけど日本語では言えない言葉というのが増えていくので、日本語の語彙も同時に増やしていく必要があります。

 

ちなみに親が自分の母語で話しかけない事例を集めた以下の記事も必読で、みんなそれぞれの環境と理由があります。

 

・親が自分の母語で話しかけない事例(必読!)↓↓




2. 現地語と親の母語を混ぜない

海外生活が長くなり現地の生活に慣れてしまうと、現地語と親の母語(例えば日本語)をつい混ぜて使ってしまいます。例えば韓国在住の私だと、同じ韓国在住の日本人の友人と一緒にご飯を食べたとして割り勘するとします。その時に、

 

まめちゃん

 

と言うよりも

 

[st-kaiwa1]私チェックカードあるからまとめて払おうか。

 

という方が楽です。それはチェックカードという言葉が韓国では使われているし、自分も韓国語を話す時はチェックカードという言葉を使うので使いやすいし便利だからです。そして、日本に一時帰国した時に、

 

まめちゃん
あ、え~っと、チェックカードじゃなくて、デビットカード。

 

と記憶を手繰り寄せながら、日本語の単語を頭の中で探すのです。これは、後々に子どもに影響を与えてしまうのでやらない方がいいです。この混ぜ混ぜが子どもに与える影響は参考記事をご参照ください。

 

・日本語と現地語の混ぜ混ぜが子どもに与える影響 ↓↓

 

海外生活が長くなればなるほど一般的には現地の生活にどっぷりとつかってしまうので現地語が出てきそうなら、グッと我慢です......。



3. 一時帰国では一時保育か体験入学

日本への一時帰国は親はワクワク楽しみです。そして、日本に子どものいとこなどで同じぐらいの年齢の子ども達がいたら子ども同士で日本語でコミュニケーションするので、遊びを通して日本語が上達しそうです。しかし、日本に一時帰国してもいとこがいない場合や、いても数が少なかったり、タイミングが合わなくて会えないこともあります。

 

そうするとせっかく一時帰国しても結局一緒にいるメンバーは韓国にいる時とたいして変わらず......いうことにもなります。日本にいられる期間が限られている一時帰国。最大限子どものために使いたい!と思ったら、以下の方法がベストです。

  • 保育園児と幼稚園児 → 一時保育
  • 小学生と中学生 → 体験入学

 

なぜこれらがベストか?というと、おおまかに次の理由が挙げられます。

  • 生活する日本語と学習する日本語は違うから。
  • 日本のお友達ができるから。
  • 日本式の教育を受け、学校生活を体験することができるから。

 

えっ?!」と思うかもしれませんが、生活に使う言葉と学習する時の言葉は違います。海外で日ごろから「親=日本語」が徹底されていても補足仕切れない部分を補うことができる・・・。それが一時保育や体験入学なのです。

 

保育園の一時保育と小学生の体験入学については、以前まとめたものがあるので参考記事をご覧ください。

 

・保育園の一時保育について ↓↓

 

★参考記事

・小学生の体験入学について(検索結果一覧)

→「体験入学




4,親が頑張りすぎない

「うちの子をバイリンガルに!」と思うのは子どもではなく親の方で、子供が生まれてから日本語で話しかけ日本人の集まりに参加し日本の童謡を家で聞かせて日本文化を受け継いでもらうべく各種行事を家でもやる......。

 

子どもが小学生になり高学年辺りになってくると、だんだんと子どもにも「自分」というものが確立されてきて子ども自身がやりたいことや興味の対象というのがでてきます。

 

また、女の子の場合は小学校高学年あたり、男の子は中学生あたりになると思春期や反抗期も重なり親の思うとおりには子どもが動いてくれなかったり、やろうとしても反抗してきたりすることもあります。思春期や反抗期は海外在住の子どもに限ったことではありませんが、子供が嫌がったり反抗してきた時に「日本語やろう~!!!」と親が頑張りすぎてしまうとあまりいい結果には繋がりません。

 

私の周りの日本人先輩ママも、親の頑張りに子どもがついていけず(または親の頑張りに子どもが反抗したりして)、結局親が爆発してしまい

 

もう、日本語なんてわかんなくてもいいよ(怒)!

 

となるケースを耳にします。そのため、子どもの様子を見ながら適度に頑張るのがいいのですが、その力の入れ具合の調節が最も難しいところです。



5.子ども自身がバイリンガルになりたいか見極める

先ほどの「親が頑張りすぎない」に通じるものがあるのが、この「子ども自身がバイリンガルになりたいか見極める」です。なぜなら、子どもにその気がないのに日本語をやろう!と言っても、子どもには負担になるし嫌々やって日本語や日本文化へのイメージが良くないものとなってしまったら悲しいと思うからです。

 

子ども自身がバイリンガルになりたいかを見極める方法にはいくつかあると思います。例えば......

  • 子どもに単刀直入に「バイリンガルになりたい?」と聞いてみる。
  • 子どもがどんなものに興味を持っているか観察してみる。
  • 子どもに将来の夢は何か聞いてみる。

 

もし、子どもに聞いてみた結果や観察から「バイリンガルになりたい」となれば、子どもの様子を見ながらどんんどん進めていけばいいし、「あんまりなりたくないなぁ......」という場合は、子どもの様子を見ながら緩く進めていくか「ここだけは日本語で!」というポイントを決めておけばいいと思います。

 

ちなみにこんなことを書いている私ですが、我が家での日韓バイリンガル育児は順風満帆というわけではなく何度か壁にぶつかりその度に考え直したり調べたり軌道修正の必要も感じています。その話も以前このブログに書いているので、参考記事をご覧ください。

 

・我が家の軌道修正について ↓↓




まとめ

今回は、以前ツイートした内容を細かく説明する形で子供をバイリンガルに育てないなら気をつけるべき5つのことについて書きました。国際結婚でも海外在住でも子どもは自動的にバイリンガルにはなりません。しかも均等バイリンガルにしようと思ったら、親にもかなりの意識と知識、そして根気も必要になってきます。

 

今回の話は親の立場というか心構えの話なので、具体的に日本語や日本文化に触れる方法については書いていません。またそれは別の機会に......。




    • この記事を書いた人

    まめちゃん

    韓国で2人の子供達をバイリンガルに育てています。大学院生の頃は第二言語習得を研究していました。日本語教師の経験が約20年。子供達のバイリンガル育児や国際結婚、バイリンガル育児について第二言語習得や日本語教師的な視点からブログを書いています。 時々韓国の義実家に関する泣き笑いネタもあります^^;

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