こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようと毎日奮闘しています。
今回は「下巻」をご紹介!
私たちにはたいていの場合、「自由自在に使える言語」と「ちょっとがんばればできる言語」、そして「なんとなく使える言語」「使えるという域には達してない言語」というものがあると思います。 私の場合は日本語が「自由自在に使える言語」で、韓国語は「ちょっとがんばればできる言語」、そして英語は昔はある程度できたのに使わないうちにかなりさび付いてしまい今では「なんとなく使える言語」となっています。
苦労しないで覚えた言語(私は日本語)ほど時間が経っても忘れず、一生懸命覚えた言語はちょっと使わないと忘れていくこの不思議・・・。そもそも、私たちの頭の中はどうなっているでしょうか。・・・というような疑問に子どもの言語発達の面から答えてくれるのがこの本です。
スティーブン・ピンカーの著書であるこの本は、上巻と下巻にわかれていて、以前、この本の上巻についてご紹介しました(詳しくは「合わせて読みたい・・・」.から)。『言語を生み出す本能(上)』では、言語を本能的に獲得することについて、言語のルールや文法などの視点から書かれていることなどについて紹介しました。
今回は、この本の下巻についてご紹介します。下巻は、上巻とともにかなり興味深い本でバイリンガル子育てをしている親でなくても、「私たちはどうやって言葉ってものを覚えたんだろう?」という素朴な疑問をもっている人にもおススメです。それでは早速、本の紹介に入っていきましょう。
『言語を生みだす本能(下) 』【本の紹介】
それでは、今回紹介する本の概要からまずみていきましょう。
★.本の概要
タイトル : 『言語を生みだす本能(下)』
著者 : スティーブン・ピンカー
翻訳 : 椋田直子
出版社 : NHKブックス
出版年:1995年(初版)
値段 : 1382円
著者であるスティーブン・ピンカーは、カナダ生まれの言語学者で専門は子どもの言語能力の発達です。子どもの言語発達が専門の学者が書いていると、
と思いますが、この本は一般書に分類されます。また、言語学、政治哲学などさまざまな分野の研究者であるノーム・チョムスキーの弟子でもあるそうです。
では、上巻に続き下巻にはどんなことが書いてあるか、ちょっとだけ紹介します。
・なぜ世界にはさまざまな言語が存在するのか、について言語の歴史的に見ている。
・人間は、どのように母語を獲得するのか。生まれていつごろまで世界のどんな言語の音を聞き分けることができて、いつごろになると聞き分けられることができなくなるのか。実験結果とともに書かれている。
・子どもは文法的な間違いをするが、それは文法的に考えると論理的だ。そして、人間が文法を身につけるプロセスや、なぜ第二言語の習得は難しいのか。
・猿に言語を教えるとどうなるのか。人間のように覚えて使うことができるのか。
などなどです。これを読めば、人間というものがどうやって言語を身につけるのか、猿はどうなのか、赤ちゃんはどうなのか、大人になってから言語を身につけるのはどうして難しいのか、脳のどの部分が言語どうかかわっているのか、などなどが、わかりやすく書かれています。
一方で、文法の話もでてきて、それらの例文は著者が英語圏の人のせいか全部英語なのでパッと見て難しく感じることもあるかもしれませんが、別の章には子どもがどうやって言葉を覚えるのかに興味を持っている人には、赤ちゃんの言語の獲得の部分などはかなり興味深いし考えさせられると思います。
このスティーブン・ピンカーの著書は、バイリンガル子育てについての本ではなく、人間がどのように言語を覚えるかについてですが、このようなことを子育てをする親が知っているか知らないかで子どもの言語の発達や、新しい言語を子どもに触れさせるタイミングなどについて参考になると思います。
そして、この本も上巻と同じく初版は1995年に出版されていて2017年の時点では22年も前に書かれた本です。私はこの本を第11版が出版された2001年か2002年頃に初めて読みました。そのころは、まだ独身で子どももいなかったのでただ人間が言語を身につける謎が解けたようでおもしろかったです。その後、結婚して子どもを身ごもってから読み返してみると今度はただおもしろいのではなく、「親として言語的に子どもに何をしてあげることができるか」という目でも読むことができて、かなり参考になりました。そして、子どもが生まれてから部分的にですが読み返してみると、モノリンガル(1つの言語)で生まれ育った私と、バイリンガル環境で生まれ育っている私の子どもたちとの比較にもなり大いに納得しました。
この本は、出版された当時に比べてたら研究も進んでいて多少変わっている部分もあると思います。それでも子どもの言語発達について考えたことがなければ、かなり目からウロコの本だと思います。
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