こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようと毎日奮闘しています。
韓国に住んで、自分の子どもに日本語を教え始めて約10年経ちますが、年数が過ぎれば経験として蓄積して行くものもあれば、試行錯誤の連続のものもあります。昨日は、うちの上の子の話を出して漢字の勉強が停滞していることが、なんとかならないものかと考えて日本で実施されている試験の紹介をしました。
そして、その試験に合格すると合格証がもらえるので子どもは喜び目標のひとつとして取り組めるのではないか、といった内容の話をしました。今日は、昨日の話とは別に、漢字だけではなく日本語の勉強全体を見た場合に目標のひとつとして考えられる別の方法について、1つお話ししたいと思います。
バイリンガルの子どもが日本語が母語になったら受けられない試験とは?
日本や世界のあちこちで実施されている試験に「日本語能力試験(JLPT)」というのがあります。この試験は漢字だけではなく、文字、語彙、文法、読解、聴解などで日本語全体を見る試験で、レベルがN1〜N5まであって、N1が一番上のレベルとなっています。
この試験は、もともと日本語が自分の言語の人のために開発された試験ではないので、日本人を基準に「N5は小学校何年生レベル」という風に分けることはできません。日本語能力試験のホームページをみると、N5は次のように書かれています。
基本的日本語をある程度理解することができる
読む・・・・ひらがなやカタカナ、日常生活で用いられる基本的な漢字で書かれた定型的な語句や文、文章を読んで理解することができる。
聞く・・・・日常的な場面で、ややゆっくりと話された会話であれば、内容がほぼ理解できる。
日本語能力試験「認定の目安」より
日本語能力試験は、日本語を勉強している人たちが自分の日本語能力を証明するための試験なので、海外で育つバイリンガル児には場合によってはぴったりと当てはまらないような気がします。
試験問題のサンプルを解いてみる
日本語能力試験のホームページに「問題例」があったので、N5の問題例を上の子に試しに解いてもらいました。
その結果・・・
漢字には振り仮名があることや、日常的に日本語を耳にしていることもあってそれほど難しく感じなかったようです。しかし、日本語を読むのに少々時間がかかったように思います。
なお、ホームページによるとこの試験は日本語が母語の人は原則的に受験できません。うちの子の場合、このままいくと韓国語が母語になるかもしれないし、日本語が母語になるかもしれないし、または両方が母語になるかもしれないとも思います。
そして、受験資格について年齢制限はないので小学生でも受験できます。また、この試験なら韓国国内の主要都市で受けることができるので、ソウルなどの大きい都市に住んでいなくても大丈夫です。
試験問題を解いたら... これがネック!
しかし、日本語能力試験のホームページをすみずみまで見てみると、テストの内容や受験する場所などを考えると、昨日ご紹介した試験より受けやすそうなのですが、「これはネックだなぁ」と思うこともあります。それは、、、
- 試験時間の長さ
- 日本語の問題と言えば問題ですが・・・
この2つです。ちょっと詳しくみてみます。
★1.試験時間の長さ
N5の場合、「文字・語彙」が25分、「文法、読解」が50分、「聴解」が30分の合計105分の試験です。いつも小学校の授業が40分のなので、それより長い日本語能力試験の受験はうちの子にとってはかなりきついと思います。
集中力が途中で切れてしまって、机の上に突っ伏してしまいそうです。そう考えると、昨日お話しした試験の方が試験時間も40分間と短いので、子どもの集中力も続きそうです。
★2.日本語の問題と言えば問題ですが・・・
今はまだ小学生のため、日本語でも韓国語でも知らない言葉があります。また、まだまだ語彙が少ないので同じ意味の言葉を探したりするのに苦戦しそうです。
このようにいろいろと見ていくと、日本語能力試験はまだうちの子には早そうなのですが、それでも親がアンテナを広げて情報を集めておくと、先が見えてきて子どもの選択肢も広がると思います。
まとめ
今回は、漢字の勉強が停滞中のうちの上の子にと日本語能力試験について考えてみました。もともと日本語が母語の人のための試験ではないことや、子ども対象に作られた試験ではないこと、試験時間が長く子どもの集中力が続きそうもないことなどを考えると、いますぐ受験は現実的ではありません。
そのため、このまま韓国に住んで将来的に日本語力の証明が必要になった時や、子ども自身が何か受けてみたいと言った時に提案できる材料として今は温めておきたいと思います。