こんにちは!まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で子どもたちを日韓バイリンガルに育ててつつ、ブログを書いたりもしています。
さて、韓国と言えば韓国語が話されている国ですが外国語教育が非常に熱心な国でもあります。子どもが小さい頃からの留学や移民、外国語の習い事の話もよく聞きます。
韓国語には、「기러기 아빠(キロギ アッパ)」という言葉があります。「기러기(キロギ)」とは鳥の雁のことで、「아빠(アッパ)」はお父さんやパパといった意味です。
それで、この雁と父親がどんな関係があるのかというと、子どもの語学習得や海外在住経験のために母親が子どもと一緒に海外に移住し学校に通わせ、父親は韓国に残ってお金を稼ぎ海外にいる妻子に仕送りをするというものです。そして、その父親がまるで渡り鳥の雁のように韓国と海外を行き来するのでこのような言葉が生まれたそうです。
それはさておき、外国語は子どもが幼いうちから始めるのが良いというのは、一般的にはよく聞かれることです。しかし、同時に「弊害」という言葉もちらほら聞かれます。
今回は、このような外国語の早期教育について少し触れ、海外でバイリンガル育児をしている人にとってはどうなのかについて、考えてみたことを書いてみようと思います。
外国語の早期教育とバイリンガル育児。共通する4つとは?
では、まずは外国語の早期教育のことです。早期教育といっても色々あるので今回の話は、次のような意味で使いたいと思います。
インターネットで見てみるとWikipediaには次のように載っていました。
早期英語教育(そうきえいごきょういく)とは、英語学習を、早期(中学校入学前)に行うこと。
Wikipedia「早期英語教育」より
やっぱり「外国語」と言ってもインターネットを見ていると 「外国語 = 英語」 みたいな雰囲気が現状なのだと思います。そして、早期とは中学入学前とあるので、小学生や未就学児ということになると思います。
では、このような外国語の早期教育についてどのような事が言われているのでしょうか。
外国語の早期教育について言われていること
今回は外国語の早期教育といっても日本国内のことについてですが、このような早期教育には賛否両論があり、例えば次のような意見が挙げられると思います。
★賛成
・発音やイントネーションがネイティブになる。
・ネイティブみたいにその言語が聞き取れる。
・言語ができることで将来子どもが国際的に活躍できる可能性が広がる。
・言語と文化は関連があるので異なる言語や文化への理解が広がる
★反対
・子どもの考える力はちゃんと育つの?
・幼い時に英語に触れても大きくなったら忘れちゃうのでは?
・日本人としてのアイデンティティはどうなるの?
・日本語もちゃんと伸びるの?
・塾みたいなところで英語を詰め込んだら子どもが逆に嫌がらない?
他の意見もあるかと思いますが、とりあえず思いついたことを書いてみました。
そして、日本という環境では両親が国際結婚や帰国子女などではない限り、夫婦の会話は日本語になると思います。通っている幼稚園や小学校も日本の一般的な幼稚園や小学校だとしたら、日本語さえできれば実は毎日の生活には困らないという環境だと思います。
そのような環境で、ポイントとなるのは、
「継続とインプットアウトプット」
だと思います。なぜなら子どもは覚えるのも早いですが忘れるのも早いのでちょっと触れただけでは、あっという間に忘れてしまうからです。また、以前、このブログにも書いたようにDVDやインターネットの動画を見せてもそれだけでは限界があるからです。
・なぜ限界なのか...。その理由など。↓↓
そのため、やるなら続けてやること、そしてインプットのみではなくアウトプットさせることも大切だと思います。
バイリンガル育児は早期教育なの?
では、ここで話をバイリンガル育児に移したいと思います。今回の話のバイリンガル育児とは、このブログのメインテーマである海外におけるバイリンガル育児のことで、両親または親の一方が日本語がネイティブで、親の言語として子どもに受け継いでもらうために日本語や日本文化を覚えてもらうというものです。
では、外国語の早期教育との違いは…?というと、海外で育児をしていても親の言語を日常的に使い受け継ぐのではなく習い事や家庭でDVDや動画などを見せたりするのであれば、やっぱりそれは外国語の早期教育となります。例えば次のような場合です。
・日本人と韓国人の夫婦が韓国で子育て。小学校低学年の子どもには塾で英語を習わせている。
・日本人と中国人の夫婦が中国で子育て。小学校低学年の子どもを英語圏に早期留学させる。
・タイ人とイギリス人夫婦がカナダで子育て。幼稚園児の子どもに中国語を学ばせるために中国語教室に通わせる。
そのため、海外で親の言語を継承してもらうためのバイリンガル育児とは異なります。しかし、言語を子どもが複数身につけるという点では共通する部分もあるのです。
それは、早期の外国語教育とバイリンガル育児が「目標」とすべきもの... とでも言えると思います。
1.複数の言語のうち、どの言語でもいいので自分で考えて、考えたことを言葉で表現することができること。
2.どの言語も中途半端にならないこと。
3.言語ができるだけでなくその言語が話されている国の文化にも目を向けること。
4.「自分は一体どこの誰なのか?」というアイデンティティの問題に直面した時に自分の経験を自分なりに消化し自分なりの答えが出せること。
特に、2.は「ダブルリミテッド」や「セミリンガル」という言葉で呼ばれることが多いです。
・バイリンガルの種類について ↓↓
このように考えていくと、子どもに対する外国語の教育や海外で親の言語を受け継いでもらうためのバイリンガル育児は、ただ単に言語だけができる、できない云々の問題ではなく子どもの将来にも深く関わっていることがわかります。
外国語の早期教育にしても海外でのバイリンガル育児にしても、親はこの辺まで考えた上で実施するのが理想なのではないかと思います。
…とはいえ、親も子育てをしながら子どもに親として育ててもらい、学ぶことも多いものです。先に全部調べて考えてから実行することもアリですが、子育てをしながら自分の子どもを見つめ見守りつつ考えていく方法もあるのではないかと思います。
まとめ
今回は、韓国でもよく耳にする外国語の早期教育や「キロギアッパ」や日本における英語の早期教育、そして海外でのバイリンガル育児についてお話しました。
一見これらは違うものであり、実際に環境も目標としている言語も同じではありません。しかし、よくよく考えてみるとそこには共通するものもあります。それらは、今回の話のポイントとも呼べるものです。
ポイント
★★★早期の外国語教育とバイリンガル育児が「目標」とすべき4つ★★★
1.複数の言語のうちどの言語でもいいので自分で考えて、考えたことを言葉で表現することができること。
2.どの言語も中途半端にならないこと。
3.言語ができるだけでなくその言語が話されている国の文化にも目を向けること。
4.「自分は一体どこの誰なのか?」というアイデンティティの問題に直面した時に自分の経験を自分なりに消化し自分なりの答えが出せること。
また、子どもが思春期や反抗期を迎える頃に思い悩むのがアイデンティティの問題です。そのような問題を乗り越えるのは、やはり経験とともに自分の頭で考える力であり、そこには思考言語と呼ばれる考えるための言語が関わってきます。
すべては、かわいい我が子のために…ですね。
この思考言語については、また機会を改めてご紹介したいと思います。(書きました~。↓↓参考記事へ。)