こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で子どもたちを日韓バイリンガルに育てようと、努力の毎日を過ごしています。
私は東南アジア料理が好きで、韓国が冬の間に暖かい東南アジアに旅行したりもします。今年の冬もタイのバンコクに約1週間行ってきました。
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いつも旅行を楽しみにしつつ旅行前にするのは、YouTubeなどを使って現地の言葉を少しだけ覚えてから旅行に出ることです。たいていの場合、挨拶や買い物にちょっと役立つ数字や表現ぐらいで終わるのですが、それでも全くわからないよりは楽しめます。
そんな付け焼き刃的な語学学習ですが、今までベトナム語とタイ語をかじってみて思うのは
ということです。もちろん、たかだか1週間ほどの旅行ですし、語学習得が目的ではなく旅行しながら現地の人達となんとなくコミュニケーションをしてみたり、発音やイントネーションが悪くてうまく通じなかったりもしますが、それもまた旅の楽しい思い出です。
しかし、それがただのリフレッシュを目的とした旅行ではなく結婚などが理由の定住だとしたらどうでしょうか。しかも自分のには自分の言語を受け継いでほしいと考えていたらどうなのでしょうか。
今回はたまたま知り合った韓国在住のベトナム人ママと話した事をきっかけに考えたこと、感じたことについて書いてみたいと思います。
後悔先に立たず。あるベトナム人ママのバイリンガル育児の後悔とは?
まずはこのベトナム人ママの簡単なプロフィールを身バレしない程度に書いてみます。
★概要
韓国滞在:約14年。
家族構成:夫(韓国人、ベトナム語はわからない)、子ども2人(13歳、11歳)
子どもたちの学校:韓国の一般的な現地校
職業:ベトナムと韓国に関連した仕事(ベトナム語と韓国語を使う)
韓国のレベル:上級(会話)
このベトナム人ママは、韓国在住13年で韓国語もペラペラです。最初、あいさつをした時は韓国人かと思ったのですが話をしていると韓国語がネイティブでないことがわかりましたが、韓国語の会話はかなり達者です(話はしましたが、読み書きについては聞いていないのでわかりません )。
韓国にお嫁に来て韓国という異国の地で子育てをしているというのが私との共通点ということで、自然に子育ての話になりました。では、実際にどんな話をしたのか、このベトナム人ママのバイリンガル育児の後悔とは何かについて、聞いた話を元に書いてみたいと思います。なお、実際に私との会話は日本語ではなく韓国語で進められました(以降、このベトナム人ママのことは「Aさん」と書きます)。
韓国にお嫁に来た時のベトナム人ママの決心
韓国人と結婚して韓国に住むことが決まったとき、Aさんはある決心をしたそうです。それは、
ということだったそうです。韓国語もよくわからないまま結婚が決まって韓国に移住することになったので、現地に馴染むにはまずは韓国語を勉強しようと思ったのだと思います。そして上のお子さんを妊娠した時には、こう考えたのだそうです。
そのため、自分は韓国語を身に付けるために必死に勉強をして、子ども達にも韓国語で話しかけて韓国語が他の韓国人夫婦の子どもたちに劣ることがないように頑張ったのだそうです。また韓国語は仕事でも使えるレベルにまで達して、敬語なども自然に使えるとのことです。
そうしているうちに韓国での仕事も軌道に乗り子どもたちも大きくなってきたので、子どもたちにもそろそろベトナム語を覚えてもらおうかなぁ、と思った時に衝撃的なことが起こったそうです。それは、
ということでした。では、どうしてこのような事態になったのでしょうか。
ベトナム人ママ、Aさんの後悔とは?
私と話していた時に、Aさんは、はっきりと私に言った言葉があります。
さっき書いたように、Aさんは自分自身が韓国の生活に慣れるために、韓国で生きて行って少しでもお金を稼ぐために韓国語の必死になって勉強しました。そして親が外国人であるから子どもが韓国語ができないなどと、もし言われたら嫌だからと子どもにも韓国語で話しかけて韓国語を伸ばしてきました。
そして、いざ子どもたちにベトナム語を覚えてもらおうと思って行動にうつしたら、子どもたちはベトナム語を覚えようとはしなかったとのことです。そこで後悔していると私に言ったのです。
それでは、どうして子どもたちはベトナム語を覚えることを嫌がったのか…?というと、話の中からいくつかその理由が見えてきました。それは、次のようなものです。
1.学校は全て韓国の学校だしベトナム語は特に要らない。
2.ベトナムに一時帰国している時も困ったら親が通訳してくれるので特にベトナム語ができなくても困らないし、そもそもそれほど頻繁に一時帰国しない。
3.大きくなってからベトナム語を学ぶと「外国語学習」になるので、特に必要でもない外国語を勉強するのは大変。
具体的にどうやってお子さんたちにベトナム語を覚えてもらおうと思ったのか、ベトナム語で話しかけたのか、読み書きをやろうと思ったのか、詳しいことはわかりません。しかし例えば、
としたとしても、子どもたちの方は語彙や表現、文法がゼロの状態からいきなりペラペラになるとも思えません。そして、使い慣れない言語は、いくら親の母語であるといっても大きくなってから学ぶとそれは今まで自分とは全く関係のなかった「外国語」と同じように子どもたちは感じるのではないでしょうか。そうなると、特に必要に迫られているのでもなく、親が子どもたちに受け継いで欲しいという思いだけでは、子どもたちは受け止めることができなかったように思います。特に家族の中でベトナム語がわかるのはAさんだけ、という状況なので、さらにいきなりベトナム語を家の中で使おうと思ってもうまく習慣化することもできず、目標も立てることができなかったのではないかと思います。
では、Aさんはどのようにするべきだったのでしょうか。
ベトナム人ママ、Aさんはどうするべきだったのか?
ベトナム出身のAさんが、海外である韓国で子育てをしながら親の言語であるベトナム語を子どもに受け継いでもらおうとすると、どのようにしたらよかったのでしょうか。それは、次の5つではないかと思います。
1、Aさんの言うように子どもの頃から子どもにベトナム語を教える。
2.とにかくベトナム語で子どもに話しかける。
3.インターネットなどを使ってベトナムの家族や親戚とオンラインチャットをする。
4.機会があればベトナムに一時帰国をする。
5.住んでいる都市で同じような境遇の子どもたちが定期的に会えるような集まりを作る。
Aさんがいう「ベトナム語を教える」というのは、会話なのか読み書きなのかはわかりませんが、必ずしも鉛筆とノート、本を使った勉強でなくても、2.のように子どもが赤ちゃんの頃から、とにかくベトナム語で話しかけるというのがいいと思います。そして読み書きこそ後で少しずつやろうと思えばできなくはありません。
またこのブログに以前も書きましたが、海外在住で国際結婚夫婦の子どもであっても一時帰国の時などに親が通訳をしてしまうと、ますます子どもは受け継ぎたい言語を使ってみるチャンスがなくなります。ベトナム語を覚えて欲しいのなら、韓国にいてもできるだけベトナム語やベトナム文化に触れる機会を親が意識的に作っていくということをするべきだったのではないかと思います。
そして、Aさんが最初に言っていた
も、考え方としてはいいと思うのですが、韓国に住んで韓国の一般的な学校(現地校)に子どもを行かせるのであれば、心配しなくてもあっという間に子どもの韓国語は親を超えていきます。なぜなら、学習に使う言語(学習言語)は子どもが頭の中で考える言語(思考言語)につながりますし、もし韓国語(国語)が苦手なのであれば、学習塾もたくさんあるからです(もちろん、複数の言語を使うことで子どもがストレスを感じたり、言語の著しい遅れを専門家などから指摘された場合は方向の修正が必要となるかもしれません)。
私はベトナム語については旅行前にちょっとかじっただけですが、発音やイントネーション、声調の面でおもしろいけど難しいと感じました。そしてこんな言語を子どもに受け継いでもらう機会は十分にあったはずなのに、もったいないとも感じました。
また、逆にAさんには私の子どもたちは日本語がわかるのかと聞かれました。答えは、「はい」ですが、もちろん読み書きが実際の学年よりも遅れているので完璧ではありません。だとしても子どもたちがお腹の中にいたころから、そしてお腹から出てきても日本語で話しかけているし、
を徹底できています(もちろん、日本語で言えない言葉は教えていますが…。)
それを聞いたAさんは、驚いた顔をしていました。
まとめ
今回はたまたま知り合った韓国在住のベトナム人ママ、Aさんに聞いた話をもとにこのブログを書きました。もう子どもたちが大きくなってきているAさん。繰り返しになりますが、私にはっきりといった言葉が忘れられません。
韓国語もままならぬまま、韓国にお嫁に来て韓国社会に馴染もうと思って韓国語を学ぶのは十分理解できるし、子どもたちが親が外国人ということで韓国語(国語)の遅れを指摘されたりしたくないというのもよくわかります。でも、親子の会話はコミュニケーションだし、どんな言語・言葉を使うかは習慣です。そして習慣化しやすいのは、子どもが大きくなってからではなく小さいころからではないかと思います。
最後にAさんがすべきだったことは、次の5つです。
ポイント
1、Aさんの言うように子どもの頃から子どもにベトナム語を教える。
2.とにかくベトナム語で子どもに話しかける。
3.インターネットなどを使ってベトナムの家族や親戚とオンラインチャットをする。
4.機会があればベトナムに一時帰国をする。
5.住んでいる都市で同じような境遇の子どもたちが定期的に会えるような集まりを作る。
この5つや、今回の話に出てきた「ベトナム」「ベトナム語」を、「日本」「日本語」に置き換えてみたら、海外で現地の言語と日本語のバイリンガル(トリリンガル)育児をしている人達にも通じるものがあるのではないかと思います。
後悔しても一度大きくなった子どもは、また子どもに戻ることはありません。後悔先に立だず......ですね。
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