こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で二人の子どもたちを日韓バイリンガルに育てようと毎日試行錯誤しています。
子どもをバイリンガルやトリリンガル、そしてマルチリンガルに育てようと思ったらやってはいけないことがいくつかあります。
そのうちの1つが
複数の言語を混ぜて使うこと。
です。わかりやすい例で言うと、ルー大柴さんです。ルー大柴さんは、英語と日本語を混ぜて使ったりしてて、ちまたでは「ルー語」などと呼ばれています。
もちろんルー大柴さんはテレビに出ている芸能人としてやっているはずなので、日本語はきちんと話そうとしたら話せると思います。
しかし、海外で現地語と日本語など複数の言語に囲まれて育つ子どもたちは、言語を知らず知らずのうちに混ぜて使ってしまうこともあります。そしてこれはあまりいい事とされてはいません。
その具体例と親にできる対策については以前、このブログに書いたのでそちらをご覧ください。
・ルー大柴さんのような子どものルー語について ↓↓
では、基本的に複数の言語は
なのですが、もしこれがある国や地域に広がっていって社会的に認められるようになったらどうなるのでしょうか。
今回はインターネットで見た、ある新聞記事をきっかけに考えてみた
ということについて、考えたことをこのブログに書いてみたいと思います。
クレオールとは?複数の言語を混ぜるのが解禁となる日
ではまずは今回のブログを書くことになったインターネットの新聞記事からご紹介したいと思います。
★.概要
ニュース記事のタイトル:「韓国・日本の10代が使っている「日韓ミックス言語」を知ってますか」(←※2020年6月30日現在リンク切れ)
記事を書いた人:稲川右樹
ざっくりした記事の内容:
日本と韓国で、日本語と韓国語を混ぜ混ぜにした文を使ってコミュニケーションする10 代の若者たちがいる。それは単語で混ぜたり文の一部分を切り取って1つの文を作ることもある。韓国ではこのような文を韓本語(한본어/「ハンボノ」と読む。韓国語+日本語)と呼んでいる。
昔からこのような状態はあったが昔は戦争などで統治されて言語政策などにより統治した国の言語が強制された結果のことが多かった。しかし現在日本と韓国で見られる10代の若者による混ぜ混ぜは、面白いからなどとの理由によるもので強制ではなく自発的に始まったことが大きく違う。
この記事を読んで私は、
と思うと同時に、ある2つの言葉が頭に浮かびました。その2つとは何でしょうか。
ピジンとクレオールとは
この記事を読みながら私の頭の中に浮かんだ2つのとは、次の2つです(記事の中にも出てきますが...)。
なんだか聞き慣れない言葉ですが、私はふと大学院で学んだことなどを思い出して懐かしくも思いました。
では、ピジンとクレオールとは何でしょうか。
★.ピジン言語とは
共通言語をもたない複数の集団が接触して、集団間コミュニケーションの手段として形成される。
Wikipedia「ピジン言語」より
簡単に言うと、お互いにわかる言語がないのでコミュニケーションを取りたい時にコミュニケーションの手段として複数の言語を組み合わせたり羅列したりして使うというものです。それが記事で紹介されていた「チンチャそれな」というものです。
★.クレオール言語とは
(ピジン言語)が、その話者達の子供たちの世代で母語として話されるようになった言語を指す。公用語や共通語として使用されている国・地域もある。
Wikipedia「クレオール言語」より
このような考えてみると今回紹介した記事にもありましたが、10代の若者が使うという日本語と韓国語を混ぜた言葉とは、ピジンに当たります。
日本語と韓国語を混ぜるのがおもしろいというのは、感覚として私にも理解はできます。しかし自分から進んで使わないのは、やはり子どもたちを日韓バイリンガルに育てようとしているというのが大きな理由です。
日韓ピジンとクレオールが普通になる日は来るのかな?
では話をピジンとクレオールに戻して、一体日本語と韓国語を混ぜ混ぜにして話すのが普通になる日が来るのでしょうか?
これはかなり予測が難しいのですが、今の10代の人達が混ぜ混ぜを広げて下の世代も同じように使い、そして今の10代が子育てをする時にもその混ぜ混ぜを使って子育てをしてそれがその時代には社会的に認められる...。このような事態になればクレオールになるのかも知れません。
今、↑上に書いたことを矢印を使って表わしてみると下のようになると思います。
1.今の10代の日本語・韓国語混ぜ混ぜが今後も安定して続く(ピジンになる)。
↓
2.「次の10代の人達も同じように使う。」というのが2回ぐらい繰り返される。(ピジン)
↓
3.これらの世代が子育てをする頃にはすっかり定着していて子育ての時にも使う。(その子どもの言葉はクレオール言語)
こうやって見てみると、今の10代が使い続けるのかどうかにかかってくるように思います。
本当に日本語・韓国語混ぜ混ぜの文を使うのが一般的になる日が来るのかどうかは、この韓本語(한본어韓国語+日本語)がただの流行ではなくどのぐらい社会的に定着するか、ですね。
バイリンガル育児をしている親は混ぜ混ぜを解禁してもいい?
最後になりましたが、海外でバイリンガル育児をしている親はこのような傾向があるなら、
となってもいいのでしょうか。正直なところ、これがただの流行として終わってしまったら... と考えたらやっぱり慎重にならざるを得ないと思います。
なぜなら、一度子どもに教えて子供が覚えてしまったら、流行が去ったからといって
と子どもに言うのはかなり難しいと思います。それは、一度覚えたことを訂正して覚えるのが大変というのもあります。それに今は韓国語かも知れませんが、この次にどんな言語の混ぜ混ぜが流行るかなんて知る術もないからです。
そう考えると、とりあえずバイリンガル育児の方法としては、安易に混ぜ混ぜを解禁するのはよくないかなと思います。
ただし、子どもが大きくなって子供自身が
というようにちゃんと区別を知った上で、遊びのように(言うならば今の10代のように)混ぜるのはアリかなと思います。
まとめ
今回はインターネットで見た新聞記事の紹介と、読んでみて思ったことなどについて書いてみました。
今後、韓本語(한본어韓国語+日本語)がどこまで広がるか観察したいと思います。
そしてやっぱり自分のバイリンガル育児では「混ぜ混ぜ解禁」はできないと思いました。このような記事を読んだら、世の中でどんなことが起こっているのかや、それを自分に当てはめたら... などと色々考えてみることができそうです。
さて......、こうして今後もバイリンガル育児は続きます。