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バイリンガル育児

子どものルー語、バイリンガル児は面白い!だけじゃダメ!親が実行すべき3つ

 

こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で二人の子どもたちを日韓バイリンガルに育て始めて早くも10年以上が経ちました。

 

子どもたちには生まれてくる前から、お腹の中にいたころから日本語で話しかけていました。もちろん返事なんて返ってこないし生まれてきても満1歳ぐらいまでは意味のある言葉を発しません。しかし、「ママ」や「まんま」など単語が1つだけ(一語文)の時期が二語文となり三語文となり、そしていつのまにか親とちゃんとした会話のキャッチボールができるようになるのです。

 

ところがやっと文で話し始めたと思ったら、日本語だけではなく他の言語も聞こえる環境にいると複数の言語が1つの文に混じってきます。なんだかルー語のようです…。

 

今回は、海外で育つバイリンガルやトリリンガル、マルチリンガルの子ども達がルー語で話したらどうなるのか、そしてそれを耳にする親はどうしたらいいのかについて考えてみたいと思います。





子どものルー語、バイリンガル児は面白い!だけじゃダメ!親が実行すべき3つ

ところで早速ですが、この「ルー語」とはなんでしょうか。

 

Wikipediaによると以下のように書いてあります。

ルー大柴が芸として用いる、日本語を単語ごとに英語化する話法。

Wikipedia「ルー語」より

 

 

ちょっとこれだけではわかりにくいですね。でも、以前テレビなどでも紹介されていたのでご存知の方もいるかと思いますが、なんと普通の言葉をルー語にする変換サイトもあるのです。

 

例えば次の文章をルー変換というサイトに入力して「変換!」をクリックするとルー語に変換されます。

 

<ルー語変換サイトから>

なんだか、プッと笑いたくなりますね。これがルー大柴の芸風であり、見ている人を笑わせます。ところが……、ルー大柴のように意識的にやるのではなく、ごく自然にルー語を話してしまう人たちもいます。それがバイリンガル児なのです。

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バイリンガル児のルー語って?

では、この辺からこのブログのメインテーマであるバイリンガル育児ともからめながら話を進めていきたいと思います。バイリンガル児のルー語とは一体どんなものなのでしょうか。

 

バイリンガル児のルー語は、ルー大柴のルー語のように1つの文の中に複数の言語(ルー大柴の場合は日本語と英語)が混じります。基本的には英語ですが、バイリンガル児は日英バイリンガル児ばかりいるのではありません。日本語とその他の言語が混じることもたくさんあります。

 

例えば、私の一番身近にいるバイリンガル児はうちの子どもたちです。日韓バイリンガル児なので日本語の中に韓国語が混じります。では、先ほどのルー語変換サイトと同じ文を使うと例えば次のようになると思います。

 

내일(明日)みんなで같이(一緒に)ご飯を食べに行こうよ!おいしい초밥(お寿司)がいいかな。または来年は이탈리아(イタリア)に여햏(旅行)に行くから피자(ピザ)がいいかな。

 

ハングル文字で書いてある部分がルー大柴のルー語では「トゥモロー」とか「トゥギャザー」となっている部分です。これを芸能人ではなくバイリンガルの子ども、しかも自分の子どもが言ったらどうなのでしょうか。面白いでしょうか。



面白い!だけで大丈夫?

日韓バイリンガル児を育てていて先ほどのようにルー語が出てくると、まずビックリします。出てくるのは、2歳ぐらいから始まります。ただ、言語環境にもよるので幼稚園や保育園に入る前は海外で育っていても母親とずっと過ごすという場合もあります。例えば韓国で日本人の親が子育てをするといった感じです。その場合はそれほどルー語にはならず、現地の保育園や幼稚園に通い始めたら複数の言語が混ざるという現象が起こり始めます。

 

さて、自分の子どもがこのようなルー語を話すと驚いたり珍しいと思ったりすごいと思ったり面白いと思ったり、そして心配したりします。

 

保育園児や幼稚園児は、そもそもさっきのような文章よりももっと簡単な内容の文でルー語になります。しかし、そのまま成長して大学生ぐらいになってもこのような話し方だとどうなるでしょうか。

 

ちょっと文章を変えてみますが、次のようなルー語の文はどうでしょうか。

 

내일、一緒に박물관行こうよ。なんかすんごい有名な화가の전시회やってるんだって。

 

できれば韓国語がわらかない人の方が実感があると思いますが、次のように読んだのではないでしょうか。

 

●●、一緒に●●●行こうよ。なんかすんごい有名な●●の●●やってるんだって。

 

全体的に意味がわかりそうでわからない文ですね。わからないのは、

1.どこに行きたいの?

2.何が?誰が?有名なの?

3.何をやってるって?

 

聞いている相手が韓国語がわからないと、これではコミュニケーションが成り立ちません。できればちゃんと、

 

明日、一緒に博物館行こうよ。なんかすんごい有名な画家展示会やってるんだって。

 

と言って欲しいものです。でないと韓国語がわかる人でないと理解ができません。



どうしてバイリンガル児はルー語になるの?

では、どうして海外で複数の言語に囲まれているバイリンガル児が話す言葉はルー語になるのでしょうか。理由はいくつかあります。

1.特に年齢が低い時はどっちがどっちの言語かわからず混ざってしまうから。

2.小学生ぐらいになると現地語の方が強くなり言いたい事が日本語で言えないので現地語を日本語の文に挟んでしまうから。

3.ズバリ、現地語の方が楽だし慣れてるから。周りにも現地語がわかる人ばかりだから。

 

海外で育つバイリンガル児のルー語が、ただ単に「面白い」とか「かわいい~」では済まされないのは、ルー大柴はそれが芸風なのであること、そして英語はわからない人がいるとしても多少は学校で勉強するので本当にゼロの人はおそらくそれほどいないのではないかという点です。

 

つまり、英語以外の言語がまざるルー語の場合は、先ほどの例のように一体何が言いたいのか意味不明となってしまいます。

 

これでは周りとのコミュニケーションに支障をきたしてしまいます。それでは、親はどうしたらいいのでしょうか。



親としてできることは何?

このようなルー語、特に先ほどみた3つの理由から考えてみると親としては何かできることはないものかと考えてしまうのではないかと思います。

 

親にできることはいくつかあります。

1.親が複数の言語がわかるとしても子どもに向ける言語は「1人1言語の原則」を「原則」にすること。

2.現地語の方が強くなってきたなと思ったら日本語に接する機会を意識して増やすこと。

3.日本への一時帰国の時などに現地語がわからない日本の親戚や家族とのコミュニケーションを体験させること。

 

では、簡単にこの3つを見てみます。

 

★.1.親が複数の言語がわかるとしても子どもに向ける言語は「1人1言語の原則」を「原則」にすること。

これは過去に詳しくこのブログに書きましたが、この原則を「原則」とすることです。つまり、韓国で子育てをしている私なら、夫は子ども達に韓国語、私は日本語とするということです。但し、「原則」なので言語が3つ以上ある場合は、この限りではありません。

 

・1人1言語の原則って? ↓↓

 

★.2.現地語の方が強くなってきたなと思ったら日本語に接する機会を意識して増やすこと。

住んでいる国や地域に日本人がたくさんいて普段から日本人の日本語と接する機会があればいいのですが、そうでなければ親が意識的に増やす方法を考えた方がいいと思います。

 

その中で手っ取り早い方法がインターネットを使って子どもに動画を見せたり、遠くにいる日本の親戚や友達とビデオチャットをしたり、オンラインで日本語を学習したり子ども会などに参加することだと思います。

 

・オンライン補習校について。 ↓↓

 

・オンラインの子ども会 ↓↓

 

・海外でも日本語で動画を! ↓↓

 

つまり、このような方法で海外にいながらにして日本語のインプットをどんどん増やしていくのです。動画を見せることは家族以外の日本語を聞くことで語彙が増え、家族とは通常使わない言葉(敬語など)を耳にする絶好の機会となります。




★.3.日本への一時帰国の時などに現地語がわからない日本の親戚や家族とのコミュニケーションを体験させること。

これは少々荒い方法なのかもしれませんが両親が複数の言語ができると、つい子どもと日本の親戚の間に立って通訳をしてしまうことがあります。これは物事がスムーズに進むという上ではいいのですが、子どもが日本語を使って自分でコミュニケーションをするというアウトプットややりとりを妨げてしまうことになります。

 

また、子どもは先ほどのような、

내일、一緒に박물관行こうよ。なんかすんごい有名な화가の전시회やってるんだって。

 

という文を話すと相手には、

 

●●、一緒に●●●行こうよ。なんかすんごい有名な●●の●●やってるんだって。

 

のように聞こえ、いいたいことが伝わらないというのを身をもって体験します。そこで日本語の語彙が足りないというのを実感し、

 

もっと言葉を覚えないと...。

 

と思ってくれたら親としても嬉しいのではないかと思います。通訳したり助け舟を出すのは最終手段として子どもを見守るのも時には親の役目ではないかと思います。



まとめ

今回は、ルー語という言葉をきっかけにルー語について少々触れ、そのあと英語ではない言語でルー語のようになったらどうなるかというのを韓国語を使って文を作ってみました。

 

子どものルー語は親には面白いしかわいく見えることもあります。しかし、それだけで終わってはいけないのがバイリンガル育児ではないかと思います。

 

海外で育つバイリンガルの子どもにルー語が起こる原因は主に次の3つです。

1.特に年齢が低い時はどっちがどっちの言語かわからず混ざってしまうから。

2.小学生ぐらいになると現地語の方が強くなり言いたい事が日本語で言えないので現地語を日本語の文に挟んでしまうから。

3.ズバリ、現地語の方が楽だし慣れてるから。周りにも現地語がわかる人ばかりだから。

 

そして、この3つに対して親ができることは次の3つです。

 

ポイント

1.親が複数の言語がわかるとしても子どもに向ける言語は「1人1言語の原則」を「原則」にすること。

2.現地語の方が強くなってきたなと思ったら日本語に接する機会を意識して増やすこと。

3.日本への一時帰国の時などに現地語がわからない日本の親戚や家族とのコミュニケーションを体験させること。

 

親ができること…。まずは我が子のルー語を楽しみ、そして楽しむだけじゃだめだと自分に言いきかせて行動に移す、ですね。




    • この記事を書いた人

    まめちゃん

    韓国で2人の子供達をバイリンガルに育てています。大学院生の頃は第二言語習得を研究していました。日本語教師の経験が約20年。子供達のバイリンガル育児や国際結婚、バイリンガル育児について第二言語習得や日本語教師的な視点からブログを書いています。 時々韓国の義実家に関する泣き笑いネタもあります^^;

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