こんにちは。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようとしているまめちゃん(@mame_chang)です。 先日、1人1言語の原則について本とともにご紹介しました。
では、「1人1言語の原則」に従って海外で子育てをすれば、すべてはうまく行き、 子どもは、現地の言語と親の言語の両方が同じように上手なバイリンガルになるのでしょうか。 残念ながら、必ずしもそうとは限りません・・・。
今回は、1人1言語の原則についての疑問と、どうすればいいのかを前回とは別の本の紹介とともに書いてみます。
バイリンガル教育の「1人1言語の原則」とは(その2)
子どもが小さい頃は、親も子どもの交友関係や持ち物、保育園や幼稚園での行事などをだいたい把握していると思います。 しかし、子どもも成長と共に自分の世界を作り始め親よりも友達と一緒にいる方が楽しいと思うこともできてきます。
現地の友達とは、当然現地の言葉でコミュニケーションをすることとなるので、昼間に友達と話したことや、小学校の運動場でのできごとを親に話す時は以下のような会話になることがあります。
ここで、「술래 잡기」とは、「鬼ごっこ」のことで、●●ちゃんは「술래(鬼)」になったのです。
このように、日本語で言えない言葉を現地の言葉で代用することは小学生でなくても、保育園児でもすることですがここに「1人1言語の原則」を当てはめてみると、どうなるでしょうか。
母親が、日本語だけしかしゃべらず、子どもにも・・・
と言うと、子どもが日本語でなんというかわかれば「鬼ごっこ」と言うでしょうし、わからなければ親が「鬼ごっこ」という言葉を教えるか、一緒に辞書を引くか子どもに説明させるか・・・です。
しかし、子どもの成長と共にこのような「日本語で言えない単語」がどんどん増えていくのです。
『バイリンガル教育の方法』で言っていること
ここで本のご紹介です。 『バイリンガル教育の方法』(中島和子著)には、以下のように書かれています。
一方、「1人1言語の原則」に対する批判もある。使い分けそのものが子どもに心理的な負担になり、知的面、情緒面でマイナスになる、(中略)親が「1人1言語」に固執しすぎると、子供は語学力不足のために親とは学校のことを話したがらなくなる。
『バイリンガル教育の方法』から
というのです。
そして、親はこのようにすべきだというのが以下の2つです。
1.親は柔軟性のある態度をとって意図的に学校の言語を使って子どもとの交流を保つ。
2.自然な形で日本語で同じテーマについて話し合いの場をつくり足りない語彙を補う。
つまり、先ほどの「鬼ごっこ」の例だと以下のようになります。
子ども :ママ~、今日ね運動場で友達と술래 잡기したんだよ~。 ●●ちゃんが술래になってさ~。
母親 :へぇ~、●●ちゃんが술래になったんだね。 それで▲▲ちゃん(←自分の子ども)はつかまったの?
子ども :うん。私はだいじょうぶだったよ。走るのはやいもん。
母親 :そっか~、走るのはやいもんね(笑)。 ところでさ~、「술래」ってママの言葉でなんていうか知ってる?!
ここで、もし、子どもが「わからない」といえば「鬼だよ」と教えてあげて、その後意識して何度かその言葉を使う機会を作ります。
例えば数日後、意識的に夕飯の時間などに
のように子どもに話しかけて「鬼ごっこ」という言葉を覚えているかを見ます。 覚えていなかったらまた教えて、覚えていたらほめる...といった感じです。
本の紹介
最後に、1冊の本の紹介をします。 2016年に改訂版がでました。 バイリンガル教育の方法について色々な研究と意見がありますが、研究者ではない一般の人にも読みやすい1冊です。
日本に住んでない場合はスマホに電子書籍のアプリを入れて、スマホで読むと送料もいらないし、今すぐ手にはいるので楽ですね。
まとめ
今回」は、前に書いた「バイリンガル教育の1人1言語の原則とは(その1)」に関連して、「本当にそれだけでいいのかな?」という疑問を持ったことに対して、1冊の本をしながらその疑問の答えを探しました。
やはり「1人1言語の原則」とは原則であるので、あまりそれだけにこだわり過ぎると最大限の効果が期待できないかもしれません。また言語が2つ以上の場合は1人1言語に限るのにも限界がくると思います。 バイリンガル育児とは親だけが頑張ってもうまくいかないことも多いです。「原則」はあくまでも原則」として、自分の環境に合わせて家族と話し合い、子どもの様子を見ながら進めていくのがベストではないかと思います。