一時帰国と言葉の変化(うちの保育園児の場合)

一時帰国と子供の言葉

一時帰国について、このブログでは準備や感想などについても何度か書きました。そしてリサーチをしたり、挨拶に行ったり実際に保育園にあずけてみた感想なども書いてみました。そして、先日は保育園に持っていく準備物に焦点をあてて書きました。

 

 

海外で子育てをしていて日本語の力も伸ばしたいと思っている親にとって、一時帰国をする時は日本語が伸びることを期待します。私もそのような親のひとりで、一時帰国となると日本で食べたいものや、飲みたいもの、会いたい友達などのことも考えますが、子供たちの日本語能力についてもどうするか、限られた一時帰国の期間を最大限生かすために考えます。

 

今日は、今回の一時帰国で見えてきた下の子(保育園児)の日本語の変化に焦点をあてて、観察して見えてきたことや今後はどうしたらいいのかなどを書いてみたいと思います。

 

一時帰国の概要

一時帰国の期間 : 2017年の1月のほぼ1か月間(地域は関西)

保育園の一時保育: 平日の13日間(午前10時ごろから午後3時ごろまで)

週末      : 日本の家族と過ごしたりショッピングセンターに買い物に出かけたりなど

言語の環境   : ほぼ100パーセント日本語、たまに上の子が韓国語を話す時や韓国にいるパパとビデオチャットでちょっと韓国語を話す程度

 

一時帰国は、このようにほぼ1か月間で保育園でも家でもほぼ100パーセント日本語の環境を作ることができました。 韓国語がわかるのは私と上の子だけですが、もちろん私から子供たちに向かって韓国語で話しかけることはありませんでした。このような環境の中で、子供が使う日本語を観察してみるとおもしろい変化が見られました。

 

どんな変化が見られた?!

まず、「日本語」と言っていますが、以前「子供に話しかける日本語は標準語?!」で書いたように、韓国にいる間はなぜか私自身に多少のこだわりがあって日本語といっても標準語で話しかけていました。しかし、一時帰国は関西です。もちろん日本語といってもご存じのように標準語と関西弁では大きな違いがあります。ちなみに私の母語は関西弁なので関西に戻るともちろん関西弁となります。そして保育園の先生、お友達、日本のおばあちゃん、買い物に行ったときのお店の人などなど、周りが関西弁の海となります。下の子の言葉に変化が見られたのは・・・・

 

いつ頃から? → 保育園の一時保育にあずけ始めて5日目ごろから

どんな変化? → 関西アクセントでしゃべりだした!

 

これだけだと「まぁ、そうだよね・・・」となると思うのですが、観察していると次のようなアクセント(イントネーション)が見られました。

 

<子供の発言から>

ピンク色でアンダーラインのあるひらがなは、その部分が高いことを表します。)

 

①「めっちゃむい!」

②「ここ、かいからわい!」

③「きょは、きたくない」

④「なか、むいからたい」

⑤「これ、かしいやん」

 

ここまでは、とっても自然な関西弁です(笑)。 周りの影響を受けて関西アクセントを使うようになったんだなぁと思いました。⑤の「~やん」まで覚えてくるとは子供って早いですね~。しかし、一方でこんな発言も見られました。

 

⑥「マ、ずちょうだい」

⑦「あした、おかいものく?」

⑧「んなん、らん!」

 

とっても自然な関西アクセントの中に、ふと混じる⑥~⑧のようなアクセントを聞いて、「あれっ?」と思いました。関西人ならわかると思いますが、正しくは次のようになります。

 

⑥-1「マ、みずちょうだい」

⑦-1「あした、おかいもの?」

⑧-1「んなん、要らん!」

 

つまり、⑥~⑧は正しい関西アクセントではないので間違いとなります。では、「どうしてこうなったのかな? もしかして周りに不自然な関西弁を話す人がいるのかな?」と思いましたが、そうではありません。子供が高く発音する部分を見ていると全部ことばの最初のひらがなのです。「みず」の「み」、「いく」の「い」、そして「要らん」の「い」です。 そこで、はっと気が付きました。この子は・・・

 

「関西アクセントのルールを子供なりに感じ取って自分なりに使ってみているのではないか?」

 

と思いました。

 

どうしてこうなるの?!

ここで日本語教師を経験した者として、ふと大昔に勉強した言葉が浮かびました。それは「過剰般化」や「一般化」という言葉です。簡単に説明すると、日本語を勉強している外国の人に「日本語」+「先生」や「アメリカ」+「車」のように「名詞」+「名詞」の時は、あいだに「の」をいれますよ、と教えます。「日本の先生」「アメリカの車」というふうにです。このルールを教えると、いろいろなものに過剰に当てはめて一般化してしまい、「あたらしい」+「服」の「あたらしい」は形容詞なのに「あたらしい服」と間違えてしまうことです。

 

子供が使うイントネーションを聞いていて、関西アクセントには言葉の最初にアクセントが来ることもが多いので、特にルールを教えたわけではないのですが「もしかしたら過剰般化してるのかな???」と思いました。日本語教師としての勉強をしたときは上の「あたらしい服」のように文法的なことが多かったのですが、自分の子は、発音・イントネーションの面に表れているのかな? と思いました。

 

これを科学的に検証しようと思ったら、子供が使う言葉を録音するなどして例をもっともっと集めて分析しないといけないのですが、論文を書くわけではないので、今回はしません。

 

今後はどうする?!

韓国に戻る日が来れば、日本語がほぼ100パーセントの環境から韓国の保育園、韓国のお友達、韓国の親戚・・・・と環境が反対になります。今のままだと、⑥~⑧の間違ったイントネーションのままの関西アクセントが定着してしまうのは、ちょっとまずいので家の中では間違ったイントネーションの日本語はそれが標準語であれ関西弁であれ、少しずつ訂正していこうと思います。

 

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