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バイリンガル育児

海外育児の日本語教育でやってしまう事3つと解決法

 

こんにちは~。まめちゃんです(@mame_chang)。韓国で二人の子ども達を日韓バイリンガルに育てながらブログも書いています。海外で育児をして子どもに日本語教育を!と思って始めてみたものの、なぜかうまく行かないという相談が私のところに時々来ます。

 

そのような相談や周りの方々を見ていると、共通するものが見えてくることがあります。今回は、海外で育児をして自分の子どもに日本語を教えようとする時に、ついやってしまうことを3つ、そしてそれ解決するにはどうしたらいいかをお話しします。

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海外育児の日本語教育でやってしまう事3つと解決法

海外育児で子どもを日本語と現地の言語のバイリンガルにしようとする時に、ついやってしまうのは、先日Twitterでつぶやいたような内容です。

 


もう一度・・・

  1. 子どもが現地語で話しかけてきたら現地語/日本語で答える。
  2. 現地語と日本語を混ぜる。
  3. 子どもに日本語を使ってほしくて人同士で集まるが日本語を使うのは親ばかり。

 

では、具体例を出しながらどういうことなのかを見て行きます。

 

1.子どおmが現地語で話しかけてきたら現地語/日本語で答える。

子どもが日本人学校やインターナショナルスクールではなく、現地の一般的な学校(幼稚園も含む)に通っている場合によく起こるのが、子どもが現地の言葉で親に話しかけてくるということです。その際に、親が現地の言葉または日本語で答えるということです。会話例を出します(ここでは現地語は韓国語とします)。

 

例1(現地語で答えるパターン) 

子ども:엄마~、내 폰 어디 있지??(意味:「ママ~、私の携帯どこにあるんだっけ?」)

親: 응? 거기 있잖아. (意味:「ん?そこにあるじゃん。」)

 

このように、現地語(韓国語)で話しかけてきた子どもに対して、現地語(韓国語)で答えるというパターンです。

 

例2(日本語で答えるパターン) 

子ども:엄마~、내 폰 어디 있지??(意味:「ママ~、私の携帯どこにあるんだっけ?」)

親: ん?そこにあるじゃん。

 

例2は、現地語(韓国語)で話しかけてきた子どもに対して、日本語で答えています。

 

この2つの例を見ていると、例1は完全に日本語を使いませんが例2は少なくとも親は日本語で答えているからいいのでは?と思うかもしれません。しかし、ここで親が意味がわかるからと言って現地語や日本語で答えると、

 

ママ、私の携帯どこにあるんだっけ?

 

という日本語の文を作る機会がなくなります。そうすると少しずつ「携帯」「~だっけ」などの文を構成する言葉を覚えたり使ってみたりする機会が減り、気がついたら「携帯」という言葉を知らなかったり知ってるはずなのに忘れてしまったという事態になります。では、どのようにしたらいいのでしょうか。

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例3 

子ども:엄마~、내 폰 어디 있지??(意味:「ママ~、私の携帯どこにあるんだっけ?」)

親: えっ?なんて?日本語で言ってくれない?

子ども:ママ、私の携帯どこにあるんだっけ?

親:そこにあるじゃん。

 

このようなパターンがいいかと思います。親は子どもが言う韓国語の意味がわかっても、わからないフリをしたり、ちゃんと日本語で言いなおさせるのがベストです。しかし、急いでる時や親に心の余裕がない時、または子どもの日本語力が十分でない時は、

 

まめちゃん
えっ?何かさがしてるの? って何?

 

という風に部分的に手伝いながら、子どもにできるだけ日本語を使ってもらうという方向に持っていくのがよさそうです。ただ、子どもがだんだん大きくなって思春期あたりになると、単なる日本語の問題ではなく反抗期も手伝った感情が絡む問題となり、子ども自身も日本語で言い表せないことをひとつひとつ日本語で言いなおしをさせられると窮屈だしストレスを感じるようになるようです。

 

そんな時は子どもの反応を見ながら手綱の強弱を調整して、どこまで厳しく日本語だけで言わせるかを決めたらいいと思います。厳しくしすぎて、親子のどちらかが爆発して日本語学習が終わってしまうという結果にならないことが大切だと思います。



2.現地語と日本語を混ぜる。

これは韓国に限らず私の周りの国際結婚家庭にはよくあるパターンです。実際海外在住者同士で日本語の中に現地語を混ぜて話すのは実はとっても楽なのです。なぜなら、その方が話が早いからです。

 

例えば次の会話(韓国在住の日本人妻達)

日本人1:うちのシオモニが、来月キムチネンジャンゴ買ってくれるって言うんだよね~。

日本人2:えー、それって要るの?うちは要らないなぁ。お金くれるんならうちはシンクデ交換とかかなぁ。

 

この2人の会話の内容がわかったでしょうか。赤い字のカタカナは韓国語で日本語の会話にそのまま入ってます。これを韓国ことが一切わからない人に言っても会話は成立しませんが、韓国在住の日本人同士なら会話は成立するし使う言葉なのでなのです。韓国に限らず、他の国に住んでいても多かれ少なかれあると思います。

 

これを横で聞いて育つ子ども達が、「シオモニ」「キムチネンジャンゴ」「シンクデ」は日本人の親が使う言葉なんだから日本語だろうと思って育つとどうなるでしょうか。

  1. これらの本来の日本語の単語が覚えられない。
  2. 日本語だと思って韓国のことを知らない日本人と話しても通じない。

 

ということになると思います。そのため、少々面倒ですがせめて子どもの前だけでも、以下のように話した方がいいと思います。

 

日本人1:うちの義理の母が、来月キムチ冷蔵庫買ってくれるって言うんだよね~。

日本人2:えー、それって要るの?うちは要らないなぁ。お金くれるんならうちは流し台の交換とかかなぁ。

 

いかがでしょうか。「キムチ冷蔵庫」は多少説明が必要かもしれませんが、韓国のことを知らない人にも十分伝わる会話になったと思います。



3.子どもに日本語を使ってほしくて人同士で集まるが日本語を使うのは親ばかり。

これも、時々聞くことです。子ども達が日本語を使ってくれるように、同じような境遇の子ども達を遊ばせようとママ友同士で子連れで遊ぶのですが、同じ場所にいるのに子どもは子供達同士で集まって遊び親は集まってお茶を飲み、気づけば日本語を話しているのは日本語がネイティブの親ばかり......というパターンです。

 

たまに子ども達に「日本語しゃべりなさい~」と言えば、その後しばらくは効果があるものの、子ども達の中に韓国語の方が強い子が混じっていたり、いつもの現地校の幼稚園や小学校の再現をして遊ぶ場合は、韓国語になりがちです。

 

それではどのようにすればいいのでしょうか。

 

「遊ぶ」というのもいいのですが、「教室的な要素を入れる」のが今まで見てきた中で一番うまく行っているケースが多いように思います。

 

具体的には「子連れで遊ぶ」のではなく「子連れで日本語を教える会」のようにしてしまうのです。例えば、ママ友3人でやるとすれば順番やルールを決めて、

  • 最初の○分間は手持ちの教材で親を交換して読み書きを教える(自分の子どもを教えるよりうまくいく)。
  • 絵本の読み聞かせをする。
  • 日本語の短い動画を見る。
  • 日本語の歌を歌う(年齢に応じて童謡やJ-POPなど)
  • 工作や共通の教材などを使って書き取り練習、短文作成練習などをして達成感を味わってもらう。

 

ざっと挙げましたが、ただ遊ばせるだけでは韓国語になってしまうのですが、このようにちょっと「教室」っぽくすると少しでも「お勉強感」がでるので子ども達も「日本語を使わなきゃ」と考えるようです。

 

この方法はただ子連れで遊ぶだけよりも効果的です。しかし、一緒にやろうとするママ友同士がよっぽどの志を持ってやらないと、他の予定を優先させてキャンセルしてしまったりうやむやになってしまうことあります。

 

一緒にやるママ友全員の考えが一致していて、準備や当日は大変だけどそれでもやる!という集まりにできたらいいと思います。このような「お勉強感」を出す時間と、自由に子どもを遊ばせる時間を作って自由に遊ばせる時間は親もお茶を飲んで一息してママ同士でおしゃべりをし、子ども達はお菓子を食べながら遊ぶということにしておくと自由に遊ぶ時間を楽しみにしてお勉強を頑張ってくれるかもしれません。この辺は、盛り上げ方もポイントだと思います。



まとめ

今回は、以前のTweetを元に具体的を挙げながら、海外育児の日本語教育でついやってしまうこと3つとその解決方法についてご紹介しました。もう一度まとめると、

 

ポイント

1.子どもが現地語で話しかけてきたら現地語/日本語で答える。

  →日本語でもう一度話しかけてもらう。

2.現地語と日本語を混ぜる。

  →混ぜてはいけません。

3.子どもに日本語を使ってほしくて人同士で集まるが日本語を使うのは親ばかり。

  →少し教室風にするとお勉強感がでていいです。その後のご褒美(自由時間)も忘れずに。

 

国際結婚でも海外在住でも子どもは自動的に日本語と現地の言語のバイリンガルにはなりません。大変ですが親子で一緒に取り組むことが一番大切ですね。




    • この記事を書いた人

    まめちゃん

    韓国で2人の子供達をバイリンガルに育てています。大学院生の頃は第二言語習得を研究していました。日本語教師の経験が約20年。子供達のバイリンガル育児や国際結婚、バイリンガル育児について第二言語習得や日本語教師的な視点からブログを書いています。 時々韓国の義実家に関する泣き笑いネタもあります^^;

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