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バイリンガル育児

日本生まれ日本育ちの保育園児は現地の保育園になじめるの?

 

こんにちは! まめちゃん(@mame_chang)です。 私は、韓国で二人の子ども達をバイリンガルに育てて10年強になります。 バイリンガル育児のブログを始めてからTwitterやInstagram、Facebookなどでも発信をしている私ですが、時々バイリンガル育児に関する相談が来ます。

 

そのような中でもよく来る質問についてブログを書いたら、より多くの方々のお役に立てるのではないかと思うようになりました。

 

今回はそんな質問(相談)の中でも「日本生まれ日本育ちの保育園児は現地の保育園になじめるの?」と題して、日本生まれ日本育ちの保育園児が外国に移住して現地の保育園に通うようになった場合、言語的になじめるのか? という内容でお話をしたいと思います。

 

よく来る質問から書く内容ですので、誰か特定の方のお話ではないということを念頭にお読みいただければと思います。

 

★この記事は動画でも聞くことができます(スライド+音声)。





日本生まれ日本育ちの保育園児は現地の保育園になじめるの?

さて、では本題に入ります。質問や相談は、例えば次のようか感じで来ます。

 

日本生まれ日本育ちの子どもがいます。日韓夫婦ですが、子どもは韓国語はわかりません。事情により韓国に住むことになりました。韓国に移住したら子どもは韓国の保育園に行かせる予定です。子どもは韓国語は全くわからないのですが、ちゃんとやっていけるでしょうか。」

 

ここでは「韓国に移住」となっていますが、韓国以外の国に移住することになって私に相談をしてきた方もいらっしゃいます。 それでは、この質問(相談)について実際どうなのかを、その根拠と共に見ていきます。

 

だいたいの場合は言語的になじめる

今回の話は保育園児についてですが、結論から言うと次の通りです。

 

まめちゃん
だいたいの場合、言語的になじめます。

 

そして、なじむまでにどのぐらい時間がかかるかは子どもによると思います。

 

まず、子どもがいままでとは違う言語を使う環境に身を置いた時、その瞬間からいきなりその言語を流暢にしゃべりだすというのは、恐らく聞いたことがないと思います。

 

たいていの場合、何もしゃべらない期間があってその後段々とまたは突然しゃべりだします。そして、その言語を話し出すことによって周りとコミュニケーションが起こり、さらにその言語に磨きがかかっていくのです。

 

また、先ほどのように言語的になじめるまでの期間(ここではその言語をしゃべりだし周りとのコミュニケーションができるようになるまでの期間)は、子どもによって違います。

 

では、なじめるまでの間、子どもの頭の中では一体何が起こっているのでしょうか。

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子どもの頭の中で起こっていることはコレ!

新しい言語環境に身を置いて、ある程度の期間しゃべらない、そして突然話だすのは頭の中で次のような事が起こっているからです。

1.沈黙期

2.インプット

3.インテイク

4.アウトプット

 

では、ひとつずつ見ていきましょう。 まず、1.の沈黙期とは、文字通り沈黙している期間です。沈黙しているのは、「だまっている」「しゃべらない」とも取れますがここでは「まだしゃべれない」といった感じです。

 

そして、2.はインプットです。たくさん新しい言語を聞いて頭にインプットしている状態です。 沈黙期にインプットが起こると考えれば、この1.と2.は近いと言ってもいいかもしれません。

 

その次に3.のインテイクですが、この言葉は聞きなれない方もいると思います。インテイクとは「intake」と書き、インプットされたものを自分のものとして身につけることです。

 

そして最後が4.のアウトプットで、この段階で子どもはしゃべりだします。 その後は、2.~4.の繰り返しと言ってもいいと思います。

 

この過程でとても大切なのは3.のインテイクです。なぜかというと、インテイクのないインプットもやろうと思えばアウトプットに繋がりますが、実は身についていないからです。

 

ここで、具体例を挙げると例えば、韓国語がわからない人が、韓国人で日本語がわかる人と韓国を旅行します。 この場合、日本語がわかる韓国人がお店などでは間に立って通訳をすると思います。



しかし、ふとした好奇心から韓国語がわからない人が

 

私も韓国語しゃべってみたい~。

 

などと言いだしてカフェで

 

韓国語で、コーヒーを濃くしてくださいって何て言うの?

 

と聞いたとします。そして韓国人が

 

 

커피를 진하게 해 주세요.(コピル チナゲ ヘ ジュセヨ)って言えばいいよ。

 

と教え、そのままリピートするようにお店の人に言ったとします。

 

そして、めでたくお店の人に通じてコーヒーを濃くしてもらったとします。

 

すると「わ〜い! 通じた!」と嬉しくなると思います。 ところが、元々韓国語はひと言もわからない人なので次に同じことをお店の人に言いたくても、ちゃんと思い出せないと思います。

 

これは、

 

インプット

アウトプット

 

 

二段階のみとなっているため、聞いた韓国語が自分のものとはならず(つまりちゃんと身についた訳ではない)、ただ教えてもらった事(インプット)を、リピートするようにお店の人に言ってみた(アウトプット)だけなのです。

 

そのため、インテイクの段階がなくすぐに忘れてしまうのです。 ただの遊びならそれでもいいのですが、移住となるとそうもいきません。

 

また、保育園児は言語について遊びなどとは特に考えず、具体的には次のような流れになっていると思います。

 

保育園の先生が何度も言う事を聞いてどんどん頭の中に溜めていき(インプット

何度も言われる事を場面で意味と使い方を覚え(インテイク

自分でもその言葉を使ってみる(アウトプット

 

もちろん、インテイクやアウトプットが間違えていることもあるので、間違えていたら周りが直していきます。 このような過程を経て、保育園児は現地の言葉が全くわからない状態で現地の保育園に通いだしても、言語的になじめることができるのです。

 

このような知識が親にあると、現地の言語が全くわからない子どもを保育園に行かせるとしても、どーんと構えて落ち着いた心で行かせることができると思います。

 

ところで...! この後、静かに忍び寄る問題というのが起こります。ちょっと長くなりますので、この後どんな問題が起こって、親はどうしたらいいのかについては機会を改めて書こうと思います。



まとめ

今回は、時々私のところに寄せられる質問(相談)に、

 

「日本で生まれ育った子どもと日本以外の国に移住する。現地語が全くわからないけど、現地の保育園に行かせる予定。子どもは言語的になじめるのか?」

 

というのが時々あるので、その答えとして

 

「だいたいの子どもが言語的になじめる」

 

と書きました。そして、その過程で子どもの頭の中で起こっていることもお話しました。

 

その過程は、4つの段階があります。

 

過程

1.沈黙期

2.インプット

3.インテイク

4.アウトプット

 

そして、ポイントは次の通りです。

 

ポイント

●このような過程を経てアウトプットが起こり、周りとのコミュニケーションをしながら現地の言葉が上手になっていく。

●インテイクのない、ただのインプット→アウトプットは身になってないただのリピートとなる可能性がある。

●親からすると、現地の言葉がわからないのに現地の保育園に行かせるのは不安だし心配だが、あらかじめこのような知識があると、じっと子どもを見守ることができると思う。

 

子どもが現地の言語でアウトプットを始める(しゃべり出す)タイミングは、子どもによるので自分の子供はいつかな??と楽しみにすると親も心理的に余裕ができるのではないかと思います。




    • この記事を書いた人

    まめちゃん

    韓国で2人の子供達をバイリンガルに育てています。大学院生の頃は第二言語習得を研究していました。日本語教師の経験が約20年。子供達のバイリンガル育児や国際結婚、バイリンガル育児について第二言語習得や日本語教師的な視点からブログを書いています。 時々韓国の義実家に関する泣き笑いネタもあります^^;

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