こんにちは。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようと毎日努力中のまめちゃん(@mame_chang)です。
子どもって言葉を覚える時、間違えながら覚えます。親や周りの大人に直されながら、そして学校でも国語として読み書きも勉強してその言語が使えるようになっていきます。
私は、子どもの頃は言葉を間違えて使って周りに直された恥ずかしい思い出があります(その時の話は、参考記事へ↓↓)。
・参考記事私が言いたかった「水虫」とは...? ↓↓
そして現在では自分が子育てをする立場になり、韓国という国で子どもたちを育てています。
子どもたちにはお腹にいた時から日本語で話かけ家庭では日本語を使うことにし、現地語である韓国語は保育園、幼稚園、小学校などで覚えてきてもらいました。
また私の専門分野である第二言語習得や日本語教師という目で子どもたちの日本語を観察し、育ててきました。そしてTwitterではそのような毎日の中での気づきを頻繁につぶやいてきました。
ある日のこと、下の子の日本語の間違いについての私のつぶやきに、フォロワーの方からコメントをいただきました。
、
❶読む → 読められない❌
❷見る →見られない⭕️
❸できる →できられない❌全てを❷で活用させる下の子😅
学習者なら「全部2グループになってますよ〜」
で気づくが子供はそれじゃダメ
子供には子供なりのルールがあるが
間違えてるなら
正解を教えて根気よく訂正💦
— バイリンガル育児@まめリンガル (@mame_chang) November 15, 2020
いただいた、コメントは次のようなものです。
このような「日本で生まれ育ち日本人の両親に日本語で育てられたけど同じ間違いをしていた」というコメントは過去にもありました。ふと、
という疑問が湧きました。
もう一度、箇条書きにすると次のようになります。
・海外育ちならではの日本語の間違い。
・海外育ちとか関係ない日本語の間違い。
・親にできること。
この3つについて、今回は1つずつ見ていきたいと思います。
子どもの言葉の間違い。海外育児で間違いに気づいたら親がやるべき4つ
まず、日本で生まれ育った子どもがする日本語の間違いについて見ていきます。日本国内で生まれ育つ子どもがする間違いについては、インターネットでさっと検索してみただけでもかなりの情報がありました。
それらの情報の中から1つ、一部だけ引用してみます。これはQ&Aの形で、ある大学教授の方が答えているものです。
【Q】
幼児が日本語を習得していく際の言い間違い,文法間違いの傾向などは既に研究で明らかになっているのでしょうか。(後略)
【A】
(前略)幼児の言い間違い・文法間違いは多くの場合,成人のものとは性格が異なります。それらは「うっかり」間違いではなく,その時点までに彼らのことばに関する知識が到達した場所を示す指標,「暫定的な正しい形」です。ですから,彼らに成人の文法からみた正用を指摘しても素直に訂正に応じてはくれません。また,周囲の大人はしていない形が出てきますから単純な模倣ではないことにも注意して下さい。(後略)
日本医事新報社「幼児が間違いやすい日本語の傾向とは?」より一部引用
一部だけ引用しましたが、その他の部分も含め、要約すると次のようになります。
★要約
・子どもの日本語の間違いに関する研究は、すでにたくさんあって明らかにされていることが多い。
・例えば「食べない」を「食べるない」とう間違いや、「当てる」というべきところを「当たる」という自動詞・他動詞の間違いなどがある。
・音韻的な間違いもあり、「お片づけ」を「オタカヅケ」と言ったりする。
・うっかり間違えたのではなく、その時点でその子どもの知識の中での「暫定的な正しい形」。
これだけ読んで、
と気がつくことがいくつもありました。なぜなら私も韓国育ちのうち子どもたちの間違いについて同じような内容のブログを書いたことがあるからです。
・子どもの日本語の間違いについて ↓↓
それでは次に、海外育ちの子どもによくある日本語の間違いについて見てみます。
海外で育つ子どもの日本語の間違い
海外育児でよくある間違い、といっても色んな国があり、そこで育つ子どもの環境はさまざまです。それは海外在住といっても、種類というパターンがあるからです。詳しいことは、以前書いたので下の記事をご覧ください。
・海外在住の種類について ↓↓
では1つの例として、韓国で生まれ育っているうちの子(下の子)の日本語の間違いをいくつか挙げます。
★.下の子の間違い
幼稚園児〜小1
・韓国語直訳タイプ(例:「お湯」のことを「熱い水」と言ってしまう。)
・日本語と韓国語の混ぜ混ぜタイプ(例:「送る」という意味の韓国語「보내다(ポネダ)」と日本語の動詞によくある「~る」がくっついて「ポネる」という言葉を作ってしまう。)
・発音(例:韓国語ば母語の人が日本語を外国語として学ぶと、「ん」の後ろに「らりるれろ」が来たら舌が上に上がってしまう発音になる。「かんり(管理)」「せんろ(線路)」など。
・文法(例:「できない」という意味にしたい時に、「食べられない」「借りられない」「書けられない」「読められない」のように全部に「~られない」をつけてしまう。)
・言葉が入れ替わるタイプ(例:「エレベーター」を「エベレーター」、「おくすり」を「おすくり」を言う。
こうやって見てみると間違いだらけですね....^^;。
先ほどの日本で生まれ育った子どもの間違いのインターネット記事と、さっと見比べてみても重なっている部分があるのがわかります。それは次の通りです。
・文法
・言葉が入れ替わるタイプ
海外育ちといっても色々だし、過去の研究結果のうちのごく一部しか見ていませんが、この2つを照らし合わせただけでも重なる部分とそうではない部分があることがわかります。
海外で育つ子ども、日本で育つ子どもの日本語の間違いを比較すると?
では少ない情報ではありますが、2つを合わせると何がわかるのでしょうか。簡単に書くと次のようになるかと思います。
海外で生まれ育つ子どもの日本語の間違いは以下の2つにザックリと分類できる。
1.海外育ち特有のもの
2.海外育ちとは関係ないもの
★.1.の海外育ち特有の間違いは、やはり言語が複数あることで現地語などの影響を受けたものがあります。それが、例として挙げたものです。
・韓国語直訳タイプ(例:「お湯」のことを「熱い水」と言ってしまう。)
・日本語と韓国語の混ぜ混ぜタイプ(例:「送る」という意味の韓国語「보내다(ポネダ)」と日本語の動詞によくある「~る」がくっついて「ポネる」という言葉を作ってしまう。)
・発音(例:韓国語ば母語の人が日本語を外国語として学ぶと、「ん」の後ろに「らりるれろ」が来たら舌が上に上がってしまう発音になる。「かんり(管理)」「せんろ(線路)」など。
しかし、興味深いことに同じ家で生まれ育っているのに、上の子は「ポネる」なんて言ったことがありません。そのため、間違え方には個人差があることが考えられます。では、次に海外育ちとは関係ないものとはどれでしょうか。
★.2.海外育ちとは関係ないものは、文法や、音に関係することで海外育ちであっても日本で生まれ育っていても起こり得るようです。それが、先ほどの残りの2つです。
・文法(例:「できない」という意味にしたい時に、「食べられない」「借りられない」「書けられない」「読められない」のように全部に「~られない」をつけてしまう。)
・言葉が入れ替わるタイプ(例:「エレベーター」を「エベレーター」、「おくすり」を「おすくり」を言う。
文法は日本育ち、海外育ち関係なく大変ですね...。外国語として日本語を学ぶなら文法書というのが存在しますが海外日本語育児で子どもが現地校なら、子どもの年齢やタイミングによっては外国語としての日本語文法は使える時もあれば使えない時もあります。
・子どもの日本語教育と親が日本語教育を学ぶこと ↓↓
しかし、最初の方で引用した「日本医事新報社」の記事によると、それは「暫定的な正しい形」ということなので、言い変えると子どもがその時点で知っている文法知識を総動員した結果で、大人から見たら間違いかもしれませんがそれは一生懸命発達している途中なのだと思います。
それでは、海外日本語育児をしている親にできることは、何でしょうか。
海外日本語育児をしている親にできる4つ
海外日本語育児で、子どもが現地校に通っているとして親にできることを考えてみました。それは次のことではないかと思います。
・アンテナを広げ情報を集めて知識を持つこと。
・子どもの言葉、間違いをメモすること。
・どんな間違いがあるか分類してみること。
・間違いに合わせた訂正を意識すること。
まず、親がアンテナを広げて情報収集することは非常に大切です。知識がないと間違いの理由もわからないし、自分の子どもだけなのか、または一般的に子どもはそうなのかがわからないからです。
次に子どもがする間違いに耳を傾けます。そしてメモをしていきます。メモはノートでもいいしスマホのメモ機能などを使ってもいいと思います。そして、
と考えてみると傾向が見えるかも知れません。もし、
という場合は、同じような環境で子育てをしているママ友やパパ友と一緒にやってみてもいいと思います。そして、間違いに合わせた訂正を意識することです。この訂正の方法などは、日々Twitterなどでもつぶやいていますので、そちらも参考にしていただけたらと思います(まめちゃんのTwitterはこちらへ。)
まとめ
今回はTwitterでつぶやいたことに対するフォロワーの方のコメントをきっかけに、考えて調べたこと、そして海外育ちの1つの例として我が家の下の子の間違いを挙げてみました。
もう一度、このブログに今回書いたのは次のことです。
・海外育ちならではの日本語の間違い。
・海外育ちとか関係ない日本語の間違い。
・親にできること。
そして今回のポイントは次の通りです。
ポイント
★.子どもがする間違いはザックリと2つに分けられる。
1.海外育ち特有のもの
2.海外育ちとは関係ないもの
.
★.親が出来ることは4つです。
・アンテナを広げ情報を集めて知識を持つこと。
・子どもの言葉、間違いをメモすること。
・どんな間違いがあるか分類してみること。
・間違いに合わせた訂正を意識すること。
まずは我が子が使う言葉に関心を持つ......。それが入り口ではないかと思います。