バイリンガリズムの「発達相互依存仮説」って何?!

最終更新日時 : 2017年11月9日

バイリンガル子育てをする親として知っててもいいと思うこと

「子供がバイリンガルに育ってくれたらいいな〜。」と考える親は、きっと国際結婚、両親がモノリンガル、バイリンガル、マルチリンガルに関わらずいると思います。

 

私もそんな1人で、

 

「うちの子たちは韓国で生まれ育ってるけど、日本語と韓国語ができる人になってほしい」

 

と思ってバイリンガル子育てを始めました。そして私の周りにも同じような気持ちでバイリンガル子育てをしている人たちがたくさんいます。

 

しかし、とりあえず始めてみたものの、

 

「これでいいのかな?」

 

 

「他にもいい方法はないのかな?」

 

という話もときどき聞きます。このブログにも何度か書いている通り、海外在住とは言ってもただやみくもに日本語で話しかけても伸びる能力とそうではない能力があります(詳しくは下の「合わせて読みたい・・・」からどうぞ〜)

 

 

このブログでは、バイリンガル子育てをしている親として

 

「知識として知ってるといいな!」

 

と思う仮説や理論をときどきご紹介してます。難しそうなものは、できるだけ具体的な例も交えて書くようにしています。今日は、そんな仮説や理論の中でも、

 

「発達相互依存仮説」

 

という仮説を具体的な例とともにご紹介したいと思います。

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仮説の紹介

バイリンガル教育やバイリンガリズムについての研究者はたくさんいますが、今日ご紹介する研究者とその仮説は次の通りです。

 

仮説の名前:「発達相互依存仮説」

仮説を唱えた人:ジム・カミンズ、M・スワン

仮説の内容:ある1人の人間が複数の言語を獲得していく時、それは別々ではなく根底の部分では共通するものがある。そしてそれはお互いに依存しあっているというもの。

 

 

図で表すと次のようになります。

 

 

横にひかれた青い線の上が目に見える部分(表に表れる部分)で、日本語と韓国語ができる人を例に挙げると、「●●語」(第1言語)、「●●語」(第2言語)」の部分に日本語または韓国語が入ります。どっちの言語が第1言語かというと人によります。

 

そして、横の線の下の部分が目に見えない部分で、これが頭の中です。表に見える言語は2つで、それぞれ違う言語なのですが頭の中ではこの「共通する部分」のようなところがあり、それはお互いに依存しあっているということです。

 

バイリンガルと言ってもいろいろと種類があり、生まれたころから複数の言語を同時に獲得し始める場合と、生まれてからとりあえず1つ、そして後でもう1つという場合もあります。その場合は、最初に獲得した言語(第1言語)が、2つ目の言語に転移していく、そして「相互」なので、その逆もあるという仮説です(バイリンガルの種類については「合わせて読みたい・・・」からどうぞ)

 

また、言語と言ってもいろいろな面があるのですがこの仮説で「依存」するのは、いわゆる「生活言語」ではなく「学習言語」だとされています(生活言語と学習言語の違いは「合わせて読みたい・・・」から)。

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うちの子で考えてみると

ここで具体的な例として、うちの子で考えてみたいと思います。現在小学校高学年のうちの子ですが、韓国生まれ韓国育ちです。生まれた時から家では日本語ですがだんだんと韓国語が強くなってきています。ここでは、韓国語を第1言語日本語を第2言語として考えてみたいと思います。

 

 

まず、お互いに依存するのは生活言語ではなく学習言語なので、例えば次のようなことではないかと思います。

 

 

韓国の小学校で習った算数関係の言葉(例えば「割り算」「ひっ算」など)は日本の小学校に体験入学した時に出てきたら「あ〜、あれか!」とわかること。これは第2言語である日本語で学習をする時に第1言語である韓国語に依存して理解を助けているということだと思います。

 

また「相互」なので、反対の例を考えると日本の小学校の体験入学の時に理解の実験の時に初めて知ることがあったとします。例えば、

 

「リトマス紙には青色と赤色があって、酸性やアルカリ性の液体にはそれぞれ反応のしかたが違う。」

 

これを体験入学で学んで、その後韓国に戻ってきてから同じ内容を学ぶと韓国語で「リトマス紙」や「酸性、アルカリ性」という言葉がでてきたら、第2言語である日本語で覚えた言葉や内容から、

 

「あ~、あのことか!」

 

とわかり、理解が早いのではないかと思います。ただし、この仮説で言っているのはバイリンガルなら誰でもこのようになるのではなく、第1言語が十分に発達していないとできないことであるそうです。つまり第1言語が発達してないと、依存するものがない・・・と考えると納得がいきます。

 

 

バイリンガル子育てをしている親として

現在、バイリンガル育児をしている親として思うのは、、、

 

  1. こういう仮説があるという知識をもつのは良いこと。
  2. 仮説は仮説なので自分の子供にあてはめて「こうかな?」と考えながら観察するのが大切。

 

ということです。疑問を持ってから調べて仮説や理論にたどり着く方法もありますが、あらかじめ知識として知っておいてもいいな、と思います。なぜなら、知識としていろいろな情報を持っていれば、いざ自分のバイリンガル育児や子供の2つの言語の獲得に不安を感じたり疑問に思った時に、思い出せばきっと焦らずにいられると思うからです。

 

また、仮説は仮説であるのとバイリンガル子育てといっても家庭によってやり方や事情が少しずつ異なると思うので、すべての仮説がみんなに当てはまるとも限らないと思います。そのため、得た知識を自分の子供に当てはめてみて、

 

「こうかな? でもうちの子はちょっと違うかな?」

 

と考えながら観察するが大切だと思います。

 

 

最後に・・・

今日は、ジム・カミンズとM・スワンによる「発達相互依存仮説」について、うちの子を例にあげながらご紹介しました。2つの言語をバランスよく育てるのが理想ですが、なかなか難しいです。

 

バイリンガル子育てをしている親として知識としてこのような情報を持っておくのは、いいことだと思います。そして・・・、今日ご紹介した仮説とは違い、

 

「お互いに依存してない」

 

という考え方もあって、それは「二言語分離説」と呼ばれます。やはり安易にのぞき見をすることができない人間の脳だからこそ、いろんな仮説や考え方があるのだと思います。

 

 

合わせて読みたい・・・

・日本語で子供ひ話しかけるだけでは伸びない能力とは? →「日本語だけで話しかけても伸びない能力とは?

・生活言語と学習言語について →「現地の言語ができたら勉強もできる?

・バイリンガルの種類について →「バイリンガルの種類について

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2 件のコメント

  1. なのsays: 返信

    すごく興味があります。
    具体的に書いてありとてもよく解説してくださっていて、他の情報記事とは一線を画す内容の濃さ!
    外国で子育てをしているのでじっくり読んでみたい記事でした。
    ありがとうございます。

    • まめちゃんsays: 返信

      なのさん、初めまして! コメントありがとうございます。記事に興味を持ってくださり、とても嬉しいです^ ^ ぜひぜひ、ゆっくり読んでいただけたらと思います。

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